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【社会】「デジタル市民」に税制優遇案 積極利用者は所得税10%減も

VNeIDの登録操作画面
(C)THANH NIEN

公安省が「デジタル市民」育成決議案を策定

ベトナム公安省は、国民のデジタルサービス利用を促進するため、「デジタル市民の発展」に関する政府決議案を策定した。国家電子認証アプリ「VNeID」を中核に、行政手続きや公共サービスをオンライン化し、VNeIDを「スーパーアプリ」へと発展させる構想である。

デジタル市民の認定条件とランク制度

決議案によると、デジタル市民として認定されるには、VNeIDアカウントの付与を受けていること、安全に公共サービス・デジタルサービスを利用できる能力を有すること、デジタル市民としての責務を果たし、評価ランクが付与されていることが条件となる。

公安省はデジタル市民を3段階に分類する方針である。
・信用スコア350点以上:積極的デジタル市民
・100〜349点:基本デジタル市民
・100点未満:未認定

ポイント制度で利用度を評価

信用スコアは、個人データの更新状況、オンラインサービスの利用頻度、デジタル空間での社会的貢献度などに基づき算定される。
行政手続きをオンラインで行う、法令草案への意見提出、アンケートや意見・要望の提出など、デジタル上での活動が多いほど高得点となる。

具体的には、VNeIDの個人情報を100%完成させると100点、法令草案への意見提出は10点、国会議員とのオンライン交流は1回5点、行政手続きのオンライン実施は1回7点、意見・要望が受理・処理された場合は1回5点が加算される。

積極的デジタル市民には大幅な優遇

公安省は、デジタルサービス利用を促すため、積極的デジタル市民に対して多様な優遇措置を提案している。

具体的には、婚姻届、出生届、死亡届、運転免許の更新、身分証再発行など、利用頻度の高い66の基本的・重要な行政手続きについて、手数料・使用料を100%免除する。

また、防火設備検査、住民データベースからの情報取得、居住情報の修正、身分証データベースへのDNA情報更新など、管理コストの高い56の複雑な手続きについては、手数料を最低50%減免するとしている。

オンライン利用で税金も10

特に注目されるのは、VNeIDを通じたオンライン手続き・デジタルサービス利用に対し、5種類の税金・登録税を10%減額する提案である。対象には、不動産譲渡時の個人所得税、電子商取引による事業所得税、自動車登録時の登録税、電子商取引やキャッシュレス決済による購入時の付加価値税(VAT)などが含まれる。

基本デジタル市民は行政手続き手数料の免除・減額に限定されるが、積極的デジタル市民は税金減額を含むすべての優遇措置を受けられる。

VNeIDを「スーパーアプリ」へ

公安省は、VNeIDを単なる本人確認アプリにとどめず、国家電子ウォレット、デジタル決済、個人用電子署名、個人データ保管庫、国民一人ひとりへの公式メールアドレス付与、さらにはSNS機能まで備えた「スーパーアプリ」へと拡張する構想を示した。

民間SNSでは偽アカウント、フェイクニュース、詐欺が横行している現状を踏まえ、100%実名・本人認証されたSNSを構築し、国民の意見表明や政府からの公式情報発信、偽情報対策の中核とする狙いである。

意見募集は12月31日まで

政府の「デジタル市民発展決議案」は、12月31日まで公安省電子情報ポータルで国民からの意見を募集している。

本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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