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米国がMMPA適用開始 ベトナム水産業に新たな輸出障壁

マグロを釣り上げたベトナムの漁船
(C)THANH NIEN

ベトナムの水産物輸出に再び新たな障壁

米国が新たな技術的規制を適用開始

2025年、ベトナムの水産物輸出は米国の相互関税措置を含む数々の税制上の困難に直面しながらも好調を維持した。しかし、2026年初頭より、米国市場はさらに重い技術的障壁を追加した。

MMPA規定が2026年1月1日から本格適用

2026年1月1日以降、米国の「海洋哺乳類保護法(MMPA)」が水産物輸入に対して正式に適用される。発表によれば、ベトナムは34か国の「部分的同等国」グループに分類され、輸出自体は認められるものの、厳格な監視条件を満たし、「適格証明書(COA:Certification of Admissibility)」の提出が義務となる。

同日以降、ベトナム産水産物のうち、MMPAに関連して禁止されている12の漁業に該当するものは、これまでのように米国港湾へ直接入港することができず、当該漁業に由来しないことを証明するCOAの提出が必須となった。

COAは輸出許可ではなく「輸入管理の証明書」

米国海洋大気庁(NOAA)は、COAは輸出許可ではなく、MMPAに基づく輸入管理の証明書であり、米国税関に対して「合法的に捕獲・調達された商品であること」を示すものと説明する。
COAには政府権限機関による2つの署名が必要であり、ベトナムでは省レベルの水産管理当局が発給を担当する。また、中間国で加工された場合は最終輸出国が、漁獲国の正当な書類に基づいて署名することが可能で、米国内輸入業者の署名も求められる。COAは米国税関のCDIS(Customs Document Image System)へアップロードしなければならない。

HSコード次第で対象外品にも追加書類が要求される可能性

NOAAは、ベトナムの水産物すべてが禁止されるわけではないと強調する。しかし、COAが必要かどうかは「原産国」と「輸入申告時のHSコード」に大きく依存する。そのため、該当漁業に属さない商品であっても、イルカ・クジラ・アザラシなど海洋哺乳類との相互作用リスクが高いHSコードを用いている場合、追加書類が求められる可能性がある。

すでに仕入れた在庫の扱い—NOAAは例外措置を認めず

COA制度が施行される直前、国内企業の多くは加工用原料を輸入していたが、これら在庫はCOAを取得していなかった。企業側は柔軟な対応策を求めたが、NOAAは明確に拒否した。

NOAAは「米国の規制は米国への到着日で判断され、漁獲日やベトナム国内での在庫化の時期には依存しない」と説明。2026年1月1日以降に米国へ到着する全ての関連商品はCOAの提出が義務となり、在庫や輸送中の商品も例外ではないとした。
在庫が旧制度下で仕入れられた場合であっても、禁止対象のHSコードと一致すればCOAが必須となる。

業界からの懸念と対応

ホーチミン市のある水産企業幹部は、NOAAの新規定が輸出に大きな影響と混乱をもたらすと指摘する。ベトナム国内でのCOA発給手続きも新設されたばかりで、慣れるまで時間を要するとした。ただし在庫問題については、「最終的には別市場の開拓など、企業側で解決策を見つけるだろう」と述べた。

ベトナム水産物輸出加工協会(VASEP)のレ・ハン副事務局長は、米国の税制・貿易政策・技術的障壁が世界の輸出企業に市場転換を促す可能性を指摘する。一方で、市場や製品構成の転換は長期戦略であり、一〜二年で安定した変化を実現することは困難だともしている。市場転換が進めば、EU、中国、ASEAN、中東など他地域で競争が激化する可能性もある。

12漁業の影響額は5.12億USD

ベトナム農業・環境省の水産局によれば、対米輸出額は年間18億USDに達する。このうち、NOAAが禁止対象とする12漁業に関連する輸出額は約5億1,200万USDと見積もられる。
ただし、12種すべてが即座に輸出不可となるわけではなく、生物種、②漁具、③漁獲海域、④漁獲国の4条件がNOAAの警告リストと一致した場合のみ禁止が適用される。

企業は円滑な輸入通関のためにCOAを準備する必要があり、米国は例外措置を設けていない。施行前に購入した原料については、漁獲時期を証明するため、財務請求書や漁民からの購入台帳などの書類が使用できる。

MMPA遵守は漁業近代化の契機に

水産局は2026年も引き続き関連機関と協力し、米国が同等と認めていない漁業について、実際のデータと科学的指標を基に「同等性」を証明する作業を進める方針である。また、海洋哺乳類資源調査についても、これまでの不十分さを解消し、体系的な取り組みへ移行するという。

水産局は「MMPAへの対応は技術的障壁への対処にとどまらず、ベトナムの漁業を伝統型から近代的・責任型へ転換する機会でもある」と強調した。

本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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