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ベトナムが示す新成長戦略:年10%成長を実現する「生産性主導モデル」への転換

ベトナムの製造業関連展示会に展示されたロボット技術
(C)THANH NIEN

二桁成長の「願望」を国家のコミットメントへ

ベトナムの第14回党大会に提出される政治報告書案が掲げた「年平均10%以上の成長目標」は、無理な加速を求める約束ではなく、生産性・イノベーション・マクロ規律を基盤とした開発モデルへの戦略的選択である。

成長モデルの刷新を明確化

複数期にわたり初めて、政治報告書案は高い成長率と厳格な要件を伴う一連の経済目標を提示している。
2026〜2030年期のGDP成長率は年平均10%以上、2030年の一人当たりGDPは約8,500米ドル、デジタル経済比率30%、製造業・加工業比率28%、全要素生産性(TFP)の寄与率55%以上——。
これらは注目を集める数値であると同時に、新時代のベトナムが歩むべき発展路線を示す政治・経済上の強いメッセージである。

過去40年のドイモイ(刷新)期を経て、ベトナム経済は量的蓄積が十分に進んだ。ベトナムの経済規模は4,300億USD超、一人当たりGDPは5,000USD超、貿易開放度は世界最高水準となり、企業部門の成熟や国際的地位の向上も進んだ。
いま問われるのは「高い目標を掲げるか否か」ではなく、「10%成長の志を持続可能で信頼できる軌道にどう変えるか」である。

報告書案の前進点は、高成長とともに成長モデルの刷新を求めている点である。TFP寄与率55%以上、労働生産性年8.5%増という目標は、資本・資源・安価な労働力に依存する旧来型の成長が許されないことを明確に示す。
10%成長が持続可能となるのは、生産性、科学技術、イノベーション、現代的ガバナンスが主導する場合のみである。

政策の発想についても大きな転換が求められる。すなわち、「管理・許認可」中心から「創造・伴走」への転換、量的拡大から効率性重視への転換、そして既存の保護から新たなビジネスモデルや破壊的技術の受容へと舵を切る必要がある。

企業は成長の主体として正しく位置付けられ、国家はルール設計を担い、制度リスクを最小化して革新への道を開くべきである。企業が長期投資に安心し、技術投資や経営改革に踏み出すとき、TFPは初めて実質的な成長エンジンとなる。

投資拡大は「量」よりも「質」

報告書案は、全社会投資をGDPの約40%、うち公共投資を20〜22%と設定した。この高い水準には、交通・エネルギー・都市、デジタル基盤、気候適応など次期成長に必要な能力構築の喫緊性が反映されている。

しかし、開発の経験は「投資規模の大きさ=成長率の高さ」ではないことを示してきた。重要なのは「どこに、どの仕組みで投資するか」である。
公共投資は、物流インフラ、地域連結、共用デジタル基盤、基礎エネルギー、社会住宅、浸水対策・気候適応など、民間が担いにくい領域に集中すべきである。良質な公共投資は民間投資を誘発し、市場に代わるのではなく市場を拡張する。

同時に、PPP(官民連携)の実質的な進展も不可欠である。透明な契約、合理的なリスク分担、信頼できる紛争解決制度が整えば、投資家の信認は高まり、長期資本は自然と集まる。

目標を支えるのは「やり方」

製造業・加工業のGDP比率28%の目標は、産業が経済の柱であり続けるという決意を示す。しかし課題は比率そのものではなく、付加価値とグローバルバリューチェーン上の位置にある。
単なる組立・加工型で原材料・技術を輸入に依存する構造では、産業が拡大しても成長は脆弱である。2026〜2030年は、支援産業の強化、産業クラスター形成、国内企業のサプライチェーン深度化が不可欠となる。

同時に、競争力を左右するエネルギーと物流も急務である。GDP単位当たりのエネルギー消費削減は環境目的だけでなく、国際競争が激化する中で企業の生存コストの問題でもある。

デジタル経済30%——経済運営そのものの再構築

デジタル経済のGDP比率を30%とする目標は、単なる技術導入ではなく経済運営の再設計を意味する。
生産、商取引、物流、金融、教育、医療、行政など、あらゆる領域でのデジタル化が求められる。データは電力や道路と同等の基盤とみなされるべきであり、安全に連携・共有され、電子ID・電子決済が普及すれば、市場からイノベーションが爆発的に生まれる。

特に、中小企業までデジタル化を浸透させなければ、30%という規模は達成困難である。

10%成長とマクロ規律

10%成長は大きな志である一方、マクロ規律を欠くとリスクも大きい。報告書案が財政動員、財政赤字、蓄積と消費の指標を明确に掲げたことは、短期成長に走らず統制の効いた発展を目指す姿勢を示す。
大規模投資、社会保障需要、グリーントランスフォーメーションが進む中、財政規律、公共支出効率、財政・金融政策の調整は、市場・企業・国民の信頼を支える重要な基盤である。

信頼性を高めるのは「包括的なアプローチ」

第14回党大会の目標が信頼に足るのは、大胆な数値だけでなく、「成長・質・持続性」を同時に追求する包括的なアプローチによるものである。
実行が徹底され、透明性と説明責任が確保されれば、これらの目標は十分に現実となり得る。
そのとき、10%成長は「遠い理想」ではなく、生産性に基づき、未来に投資し、人と企業を中心に置く経済がもたらす成果となる。これこそが、ベトナムが新時代に自信と主体性をもって歩むための基盤となるのだ。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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