ベトナムにおけるファストフードの利用実態を見ると、いくつかの興味深い特徴がわかります。
本調査はホーチミン市とハノイの主要ファストフードチェーンにおいて、実際の購入者400人のレシートを回収・分析したもので、「何を食べたいか」ではなく「実際に何を購入したか」に基づいています。
まず特徴的なのはセットメニューを選ぶ人が非常に多い点です。全体の65%がセットメニューを注文しており、単品よりも「お得さ」を重視する傾向が明確に表れています。限られた予算の中で満足度を最大化しようとする、実用的な消費行動と言えるでしょう。
さらに目立つのが、圧倒的なチキン人気です。セットメニューの内訳を見ると85%がチキン系で、ハンバーガーなどのビーフ系は8%に留まっています。
単品注文でもチキンを選ぶ人は多く、マクドナルドのようなハンバーガーチェーンでさえ、チキン商品の販売がビーフを上回っています。まさにベトナムは「チキン王国」と呼べる市場です。
また、ライスやパスタといった、一般的なファストフードのイメージとは異なるメニューも25%の支持を集めています。ローカルの食文化に寄せた商品が自然に受け入れられている点も、ベトナム市場の特徴です。
1人当たりの平均単価は約6万VNDで、ローカル食堂よりやや高い程度です。ファストフードは特別な外食ではなく、「少し便利で、少し贅沢」な日常食として定着しており、こうした利用実態はベトナム人の合理性と柔軟な食文化を良く表しています。




















