ベトナム輸出、5000億USDの節目に挑む
2025年に好調な実績を収めたベトナムの輸出は、2026年に輸出額5000億USD超という新たな節目に挑む構えである。
2025年のベトナム輸出額は4750億USD超となり、前年比で17%以上、金額にして約690億USD増を記録した。世界経済の成長鈍化や主要市場での貿易停滞という逆風下での成果として、その評価は高い。
商工省は2026年の輸出について、約8%増の5130億USDを見込むとともに、貿易黒字は230億USD超となり、2025年比で15%増になるとの見通しを示している。
輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長は、「多くの不確実要因が残る中で、極めて挑戦的な数値である」と述べている。
繊維・縫製、500 億USDを見据える構造改革の成果
貿易総額5000億USD達成に向け、主力製造業は野心的な目標を掲げている。
繊維・縫製産業は2025年に460億USDの輸出を達成し、2026年は約500億USD(前年比9%超増)を目標とする。
ベトナム繊維・縫製協会(VITAS)のブー・ドゥック・ザン会長は、この目標を「短期的な数字合わせではなく、長年進めてきたサプライチェーン再構築の成果」と位置づける。
同産業では国内調達率の引き上げと自由貿易協定(FTA)の活用が進み、ベトナム企業の国際的な付加価値ポジションは着実に改善している。
農産品、「100億USDクラブ」入りが現実味
農産分野でも明るい見通しが示されている。
2025年の果物・野菜輸出額は約86億USDと前年比20%増を記録し、2026年には95~100億USDに達する可能性がある。
ベトナム果物・野菜協会(VINAFRUIT)のダン・フック・グエン事務局長は、「農産物として新たな地位を確立した年だった」と評価する。
コーヒー分野では、2025年の輸出額が90億USDと過去最高を更新し、前年比59%増となった。
世界的な高価格が続く中、農家による再植林と品質向上が進み、2026年は生産性が5~10%向上するとの見方が示されている。
電子・部品が最大輸出産業に定着
2025年、電子・コンピューターおよび関連部品の輸出額は1077億USDに達し、全輸出額の約23%を占めた。前年比では48%超の増加である。
携帯電話や関連部品を含めると、電子機器関連の輸出総額は1644億USDに上ると推計され、2026年も堅調な成長が予想されている。
この背景には、「チャイナ+1」戦略に伴うサプライチェーン移転があり、Intel、Samsung、Foxconn、LGなどの大手企業が大きな役割を果たしている。
「天の時・地の利・人の和」がそろう一方、課題も
専門家は総じて楽観的だが、同時に構造的課題も指摘する。
繊維分野では、世界需要は底堅い一方、価格下落圧力や税負担の分担要求、小口・短納期化への対応が求められている。
農産品では、栽培地域コードの厳格管理が「死活的資産」とされ、不正排除に向けた行政の強い関与が不可欠とされる。また、中国依存度が依然として6割超であるものの、米国(前年比52%増)やEU、ASEAN向け輸出が急伸している点は注目される。
数字以上に重要な「土台」の変化
国家経済大学のグエン・トゥオン・ラン准教授は、輸出5000億USD目標について「ベトナムは天の時・地の利・人の和を兼ね備えている」と評価する。
FTA網の拡大、産業の多層化、農水産品の存在感向上は、単なる数量拡大ではなく輸出構造の質的変化を示しているという。
輸出の多くをFDIが担っている現実は変わらないものの、内製化率の向上と国内企業の競争力強化が進めば、5000億USDという数字は「算数の話」ではなく、実体を伴った成長指標になり得る局面に入ったと言えそうだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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