行動追跡アプリ、AIカメラ、感染状況マップおよび、行動追跡デバイスは、COVID-19の感染状況を特定し迅速に制御することに役立っている。
アプリ
ベトナムには現在、Bluezone、Ncovi、Vietnam Health Declareation(VHD)という3種類の医療申告アプリが普及しており、ユーザーが感染した場合の行動追跡をサポートしている。
NcoviとVHD は、ベトナム人および、海外からの入国者が自発的に医療申告をおこなうために開発されたアプリだ。ユーザーが共有した情報に基づいて、医療システムが警戒が必要なケースを認識して、素早く警告を発することができるようになっている。
Bluezoneは、ブルートゥース技術を活用した追跡サポートアプリだ。Bluezoneをインストールしたスマートフォン同士は、お互いの距離を常に確認し、2m以内の濃厚接触となった場合、いつどのくらいの時間接触していたかを自動的に記録する。
新たな感染者が確認されると、医療機関はこの感染者(F0)の情報をシステムに入力する。すると、Bluezoneのシステムは入力されたF0の情報をBluezoneをインストールしているスマートフォンに送信する。過去14日間にF0と接触した人の履歴が分析され、もし接触者に該当していた場合には、感染の可能性があるという警告が現れ、ユーザーに対して医療機関にサポートを求めるように促す。
遠隔監視カメラ
ViettelやVNPTといった大企業によって隔離施設には、数万台の監視カメラが設置されている。遠隔監視カメラは、隔離施設における現場監視員の負担を軽減させている。感染防止管理機関は、監視カメラシステムによって、カメラを設置したエリアでの全ての活動を24時間体制で監視することができる。
監視カメラシステムは、クラウドコンピューティングを使用してデータを保存し、なおかつセキュリティも強化させている。監視カメラシステムの主な役割には、全国感染防止管理委員会の規定に基づいたリアルタイム監視、録画再生、ユーザー認証、ユーザーデータ、アクセスログの保存などがある。また、その他の機能についても現場の必要性に応じて追加させることができる。
モニタリングブレスレット
Innovations社によって開発されたモニタリングブレスレッドは、最近健康管理に使用されるモニタリングブレスレッドとよく似た機能を持っている。しかし、G-Innovatiosの製品は、隔離対象者の管理という目的に合わせて機能がカスタマイズされている。
このモニタリングブレスレットには、ブルートゥース版とGPS版の2つのバージョンがある。どちらもIPX8レベルの耐水性があり、強い衝撃体制を備えている。どちらの装置でも、装着状態(手首から外されることを感知)、体温、歩数、活動状態をセンサーで感知して表示することができるようになっている。このデバイスでは、高さの変化も検出できるので、同じマンション内のフロアの移動も記録し、より正確な行動追跡が出来るようになっている。どちらのデバイスもバッテリーの寿命は30日ある。
AIカメラ
BA GPS社のAIカメラシステムは、画像の中でマスクを着用していない人を即座に検出し、管理者にアラートを送信する。
このマスクを着用していない人を識別する機能は、6月から公共輸送機関に無料で導入されている。分析システムがカメラと連動して画像情報を取得し、AIが自動でマスクの着用状態を確認し、車両内のマスクを着用していない乗客又は、スタッフを赤枠で囲んで、管理者にアラートを送信する。この技術は、交通機関がマスクを着用していない人を即座に発見し、警告することによって、混雑した追跡困難な状況でも感染拡大を抑止することに役立つ。
BKAV社は、不法入国者の管理にAIカメラを活用している。通常のやり方であれば管理者は、24時間常に監視カメラのモニターを監視し続けて、不法入国者を発見する必要がある。さらに従来の監視カメラでは、このような監視体制を構築するのに設置コストがかかりすぎる。一方で、AIカメラを活用すれば、不法入国者を発見したら即座にアラートを送信するように設定しておけば、監視体制に必要な人員を必要最低限に抑えることができる。また、全ての情報をカメラから直接処理することができるため、設置のコストも低減させることができる。さらにこのAIカメラは、顔認証システムや、人と人の距離が2m未満になった場合に自動的に警告を発する機能など民間企業でも活用できる機能も備えている。
感染マップ
COVID-19の感染状況を確認するための地図システムは、ベトナムの多くの省、市、または企業によって構築されており、市民は、地図上に表示された集中隔離ポイント、医療隔離エリア、管理チェックポイントなどをリアルタイムで確認できる。地域によっては、地図上に患者の番号やイニシャル、生年月日、性別、健康状態、地長場所などの基本的な個人情報が表示される場合もある。
これらのデジタルマップには、隔離エリア、患者住居エリア、検査チェックポイントなどの具体的な情報が表示されるため、市民は、容易にこれらのエリアを避けて移動することができる。この地図の目的は、市民が自分が居住しているエリアのCOVID-19感染状況を明確に確認できるようにすることにある。
出典:06/06/2021 VNEXPRESS
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