6月23日、ホーチミン市では、新たに152人の感染者が確認され、第4波の累計感染者数は2074人となった。これは、バクザン省に次いで全国で2番目の感染者数だ。
5月中旬にホーチミン市は、感染第4波による市内の感染者数が3人であった時点で、今後のCOVID-19の感染状況に対して3つのシナリオを想定していた。現状の感染者数は、想定されたシナリオの中で最悪の1000人から5000人の感染者にあてはまっている。
このシナリオでは、重症者はCOVID-19の治療専門病院で対応し、11区のフートースタジアム、7区の国際展示会場、各区の文化スポーツセンターを野戦病院として活用し、病床5000床を確保し、その内1000床を回復用、1000床を人工呼吸器用、55床を陰圧隔離用に使用するとしている。
昨日確認された感染者のうち、21人は病院への疫学的スクリーニング検査によって発見された。スクリーニング検査によって感染者が確認されたのは今回が初めてではない。ホーチミン市では、過去半月の間スクリーニング検査を通じてほぼ毎日、感染源不明の新たな感染者を確認している。ホーチミン市疾病予防管理センター(HCDC)は「これは、ウイルスが市中に密かに蔓延しつつあることを示している」と警鐘を鳴らす。
ホーチミン市で感染者数が最も多いのはビンタン区の309人で、次いでホクモンの205人、ゴーバップ区の168人、12区の130人、トゥードゥック市の123人、8区の118人の順となっている。感染者数が最も少ないのはカンゾーの2人で、次いで4区の9人となっている。
6月23日にベトナム保健省は、ホーチミン市人民委員会へ公文書を送付し、ホーチミン市が87万回分以上のCOVID-19ワクチンを提供されながら、現時点での接種が5万回程度しかなく、非常に遅れていると指摘している。保健省では、ホーチミン市に対して提供されたワクチンの迅速な接種を展開するよう要請している。
南部で2番目に感染者数が多いビンズン省も状況は深刻である。第4波の感染拡大以降、ビンズン省では164人の市中感染が確認されている。特にタンウエン村で発生したクラスターは、ビンズン省の多くの企業のクラスターに繋がっており、Vietnam House Ware社で82人、Hien Hoa Anh社で21人、ビンズン省廃棄物処理場で20人、Vision社で2人の感染が確認されている。
ビンズン省労働組合によると、これまでに省内の工場労働者87人が感染し、171社の企業と工場が影響を受けた。また、感染者のF1認定された600人、F2認定された3200人、封鎖エリアに居住していた1400人の合計5200人の労働者が仕事を辞めざるを得ない状況に陥っている。
感染状況が拡大する中で、ビンズン省は、5万人が居住するタンフックカンエリアを封鎖し、トゥアンアン市、タンウエン村とヒエップアン地区、チャンミー地区、フーホアー地区、ヒエップタン地区に対して、首相指示16号の社会隔離措置を適用した。
6月23日、ビンホア地区の工場労労働者居住区とビンチュアン地区の集中隔離エリアを視察した保健省のグエン・チューン・ソン副大臣は、このエリアでは不要不急の商店がまだ営業しており、建設工事が継続して行われ、他のエリアとの境界にフェンスが設置されていないなど、隔離対応が不十分であると指摘した。
「首相指示16号は、人と人、家と家、地区と地区を厳密に隔離するという厳格な運用が必要です。ビンズン省に対して、より徹底した対策を取るように要請しました」とソン副大臣は話した。ソン副大臣によれば、ビンズン省は多くの工業団地と120万人以上の工場労働者を抱えており、地域社会および、工業団地内での感染防止対策を積極的に推し進める必要がある。
ソン副大臣は、保健省は、工場へウイルスが侵入することを防ぐために、ホーチミン市と同様ビンズン省の工場労働者にも早急にワクチン接種を進めるよう提案するとしている。「ホーチミン市と同じようにこの地域の労働者へ迅速にワクチン接種をおこなうことは、感染拡大を防ぐうえで、非常に重要です」とソン副大臣は述べた。
6月23日、ベトナム全国で新たに217人の感染者が確認され、第4波の累計感染者数は44の省と市合わせて1万657件となった。
出典:24/06/2021 VNEXPRESS
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