ファン・ミン・チン首相は、エネルギー危機や製造と生活に必要な電力の不足が発生しないように、関係省庁に対して連携して対応するよう要請した。
これは、4月3日に開かれた2022年以降の発電所への石炭及び、ガス供給と電力の安定供給に関する会議において、チン首相が発言した内容だ。
最近になって、発電所への石炭とガスの供給不足による影響が懸念されている。供給不足の理由としては、COVID-19の感染拡大によって、世界的に生産・物流コストが上昇したことで、石炭の供給に影響が出ていることがあげられる。
しかし、最も大きな理由は、各省庁と政府の管理委員会の連携管理と調整がうまくいってない点にある。発電量、発電スケジュール、電力需要に関する予測と計画は、状況が変化しても柔軟に調整されていない。また、原材料価格と電力価格も経済状況に応じた調整が行われていない。
チン首相は、「製造業と一般家庭の電力需要を満たし、エネルギー危機や電力の需給バランスの不均衡を発生させず、電力とエネルギーのバランスをとる必要がある。」と強調した。
会議では、ベトナムには電力とエネルギーの需給バランスを実現するために十分な能力、基盤、解決策があるとの意見が多く聞かれた。一般的に、ベトナムでは電力は不足していないが、ピーク時などには局地的に電力不足が発生する可能性がある。
ベトナム電力公社(EVN)は、南部と中部は基本的に電力の需給バランスが確保されているが、北部では暑さのピークとなる5月から7月にかけて電力需要のピーク時に電力不足が発生する可能性があるとしている。
専門家によると、様々な制限や弱点を克服し、運営機関と管理機関が緊密な連携を実施すれば、局地的にも電力不足が発生する可能性は、ほとんどない。
チン首相は、電力の需給バランスを確保することは非常に重要であり、合理的な価格で製造業や市民生活に必要な電力を供給するためのソリューションが必要だと述べた。
「国内の発電量を増加させ、電力業界の自主独立性を強化し、外部への依存度を下げる必要があります。そのためには、直近の問題解決と同時に、長期的な問題解決策も検討する必要があります。」とチン首相は強調した。
短期的には、首相は、石油、ガス、石炭などの開拓に全力を尽くし、電力が不足している地域への電力供給体制を適切に調整するよう指示した。燃料の輸入は、貿易バランスに大きな影響を与えず、貿易赤字を抑制する方向で適切に実施する必要がある。
長期的には、ベトナムの自然環境条件や世界的なトレンドに応じて、持続可能な再生可能エネルギーの開発を強化する必要がある。
別の解決策としては、政府によって管理された市場メカニズムに従って、燃料価格と電力価格とのバランスをとり、インフレを抑制しながら、マクロ経済への影響を慎重に検討することがある。
チン首相は、「国のエネルギー安全保障を守るため、電力、石炭、ガス、再生可能エネルギーの生産、販売、供給に関するメカニズムと政策を引き続き検討、提案、改善し続ける」と述べた。
チン首相はまた、財務省、商工省、資源環境省および、国家資本管理委員会に対して、状況を注視し、政府の管理範囲内で問題、変化、悪影響が発生した場合に、適切な介入と処理を提案するよう指示した。
また関係各機関は、責任感を持って主体的に協力し、利己的にならずに無駄を排除し、エネルギー産業の発展に貢献しなければならないと首相は強調した。
出典:03/04/2022 VNEXPRESS
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