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【海外】基本給22万円でも日本行きを躊躇する労働者たち

(C) VNEXPRESS

業種や地域にもよるが、ベトナムから日本への労働者送り出し機関は、基本給が2800万VND~4000万VND(約15万円~22万円)であるにもかかわらず日本へ行くベトナム人労働者の確保に苦労している。

先週、ビエンドン労働輸出サービス株式会社(Estrala)は、日本から8人の重機オペレーターの採用依頼を受けた。採用条件は週5日の1日8時間勤務で、基本給は4000万VND(約22万円)。この基本給に残業代や諸手当は含まれていない。応募者は経験不要で、学歴は中卒以上、18歳から35歳までの健康な男子で身長が160㎝以上あればよい。また、銀行から出国のための初期費用の80%を借入れることが可能だ。

「応募者はみな真剣に募集内容に耳を傾けていたので、てっきり採用できたと思いましたが、最終的には皆、COVID-19の状況をもう少し見てから決めたいと返答してきました。」とEstrala社のグエン・テー・ダイ副社長は話す。同社では、重機のオペレーターだけでなく、食品加工、塗装、木材加工、機械加工、溶接など基本給3000万~4000万VND(約16万円~22万円)の150以上の業種で労働者がまだ確保できていない。

ダイ副社長によると、COVID-19以前であれば、1業種ついて2週間もあれば十分な労働者を確保できたという。しかし現在では、応募者が安定せず、日本から情報が送られてきても、いつまでに採用できると明確に回答することが出来なくなっている。そのため、一部の日本企業は、インドネシアやミャンマーに採用を切り替えつつある。

同様にSaigon Inserco社も機械加工、建設業、水産加工、レストランなどから、残業代や手当を抜いて、平均基本給3000万VND~4000万VND以上で、200人以上の労働者の採用依頼を受けている。同社では各地方の職業紹介センターと協力し、SNSで募集したり、各地域で就職説明会などを開催しているが、労働者の確保は思ったように進んでいない。

Saigon Inserco社のズーン・ティ・トゥ・クック社長はこの状況について、一番の原因は労働者とその家族がCOVID-19がまだ完全に終息していないことを心配している点にあると述べた。労働者の多くは感染症が流行しても、すぐに家に帰れるようにするため、遠くへ働きに行くことを避ける傾向にある。一部の日本で働きたいと考える労働者も、過去2年間に多くの労働者がCOVID-19の影響によって帰国できなかったケースを見て不安を感じている。多くの労働者は、COVID-19が再拡大した場合に受け入れ国側の入国政策が変更されることを恐れている。

一方で、Suleco Manpower社のレ・ミン・トゥイ社長は、労働者が海外に出稼ぎに行く主な目的は家族のためにお金を貯めることだと分析する。しかし、円安やベトナム国内の物価の急騰により、日本での給与額は以前ほど魅力的ではなくなっており、労働者が日本以外の国を検討したり日本行きを躊躇する原因になっている。

トゥイ社長が考えるもう一つの理由は、労働力輸出企業が国内の企業との激しい人材確保競争に直面していることだ。国内企業の人事部は、以前に比べて大幅に改善された収入と福利厚生を条件に地方の村や町を回って人材確保を進めている。

「地方の労働者たちは、感染症を恐れる気持ちが残っており、できるだけ家の近くで働きたいと考える人が多いので、現段階では多くの労働者が国内での仕事を選んでいます。」とトゥイ社長は話す。

現在、Suleco社では、電気、機械、食品加工、老人介護などの分野で毎月300人以上の労働者採用依頼が来ており、基本給は2800万VND~4000万VNDとなっている。同社ではより多くの労働者を確保するために、出国費用を立て替えて日本で働きだしてから返済できるようにするなど多くの優遇策を提案している。また、海外に働きに行った労働者が帰国した場合には、給与と待遇の良い会社の紹介もしている。

Estrala社のグエン・テー・ダイ副社長によると、COVID-19が感染拡大したときも日本にいたベトナム人労働者は非常に安全だった。彼らは十分なワクチン接種も受けているので、感染しても重症化することはなかった。日本で働く外国人労働者は、日本政府の規定に基づいて各種保険に加入することが出来るので、病気になったとしても治療費は殆どかからないとダイ副社長は説明する。

世界中でCOVID-19感染者が急増し、世界各国が国を封鎖したときでも日本国内は安全に生活することが出来ていた。ベトナム人労働者は通常通り仕事をし、収入も安定していた。ダイ副社長は、日本市場を維持するために、最も早急に取り組むべき課題は、労働者の感染症に対する過剰な恐怖を取り除くことだと指摘する。

日本は、ベトナムの労働力輸出の主要市場である。COVID-19感染拡大以前、20万人以上の技能実習生と3万人以上のエンジニアが日本で働いていた。しかしCOVID-19の出現以降、労働者の派遣は中断されてきた。今年1月から3月までにベトナムは2500人の労働者を海外に派遣したが、そのうち日本向けは約600人だった

今年の3月から日本政府は、海外労働者への門戸を開いた。現在、COVID-19のワクチンを3回接種しているベトナム人技能実習生は、7日間の健康観察隔離を実施することなく日本に入国することができる。

出典:22/05/2022 VNEXPRESS
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