2022年に入ってからマンションの賃貸市場は、COVID-19感染のピーク時に比べて回復しているものの、2018年以前と比べると依然と低調で、利益率は銀行の預金金利よりも低い。
Savills Vietnamの賃貸マンションに関する報告書によると、2022年第2四半期の賃貸収入の利益率は、銀行預金の利息よりも低いとされている。具体的には、ホーチミン市中心部の賃貸マンションの利益率は、年3.2%程度で、ニャーベー県、ビンタン区、トゥードゥック市などのホーチミン市郊外では年5.7~6.5%とされている。
しかし、別の計算方法によれば賃貸マンションの利益(1ヶ月分の家賃×12ヶ月)を開発時のマンション価格で割った場合、ニャーベー県、ビンタン区、トゥードゥック市の2022年8月までの利益率は4%を越えない。
この計算方法で利益率が下がるのは、入居者が決まるまでの空き時間や仲介手数料(1年契約で1ヶ月分)を考慮する必要があるからだ。ただし、この計算方法には以前の入居者が退去した後の修繕費や内装への再投資額は含まれていない。
内装費用無し(スケルトン)、入居率100%(1日たりとも空かない)、仲介手数料なし(家主が自分で借主を探す)とした場合でも、ホーチミン市郊外のマンション賃貸の利益率は最大で年平均4.5~4.7%程度とみられている。
一方で、大手不動産情報サイトBatdonsanのデータによると、2022年6月までのホーチミン市のマンション賃貸の利回りは平均3.8%に留まっている。Batdongsanのデータは、ホーチミン市中心部のマンション賃貸利益率とかなり近いが、Savillsが公表している郊外のマンション賃貸の利益率5.7~6.5%と比べると大きな差がある。
Batdongsanは、ホーチミン市のマンション賃貸の利回りが低いのは、コロナ後のアパートの賃貸料金の上昇率が抑え気味で、都市部のマンション販売価格の上昇率に追いついていなことが理由だと分析している。
Savillsの調査コンサルティング部門のボー・ティ・カイン・チャン副部長は、2020年まで賃貸マンションの賃貸価格は年平均5%ずつ上昇を続けてきたと指摘する。しかし、新型コロナの影響によって、2020年から2021年にかけてこの市場は、年7%も下落した。一方で、この期間にも多くの分譲マンションが建設され、そのうち30%が賃貸マンション市場に流入してきた。
チャン副部長によるとこれから2024年にかけて、更に2万6000戸のグレードAとグレードBのマンションが完成するとみられており、供給量の増大によって、今後のマンション賃貸価格が更なる競争圧力にさらされる可能性が高い。
出典:04/09/2022 VNEXPRESS
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