ドンタップ省のロックセン橋建設現場にあった深さ35mのコンクリート杭の穴に落ちたナム君(10歳)について、1月4日、ドンタップ省人民委員会は、4日間の救助活動の末、ナム君が死亡したと発表した。
1月4日18時31分、ドンタップ省人民委員会のドアン・タン・ブー副主席が事故現場で、ナム君が死亡したと伝えた。それまで救助隊は、様々なオプションを駆使して100時間近く救助活動をおこなっていたが、子供を救うことはできなかった。ナム君が落ちた深さ35mのコンクリート杭はまだ引き上げることが出来ていない。
ブー副主席によれば、事故発生当初から現場の医療関係者からは少年の健康状態について悲観的な予測が出ていた。今回の判断は、事故発生現場の状況、コンクリート杭の深さ、換気されていない環境で閉じ込められた時間、事故当時の外傷などの評価に基づいて下された。
「各専門機関による協議の結果、十分な根拠を持って少年の死亡を判断しました。現在は遺体の引き揚げ作業が進められています。」とブー副主席は話し、この発表をおこなう前に、ナム君の両親と面会し哀悼の意を示したことを明らかにした。
今後の救助活動についてブー副主席は、これまでの救助は子供の命を救うことを第一に進められてきたと述べた。しかし、子供の死亡が確認されたことを受け、救助隊は、少年の引き揚げ早急に行うため、作業方法を変更する見込みだ。
ブー副主席によると現在も交代制で救助作業は進められており、大きなミスも起きていない。この作業は非常に困難な作業ではあるが、ドンタップ省では、多くの専門家や経験豊富な救助隊の支援を受けて作業を完了させる予定だ。
ナム君の父親であるタイ・バン・タン・タイさん(40歳)は、ナム君死亡の連絡を受けて、現場に駆け付けた。ここ数日タイさんは呆然とした様子で現場の救出作業を見守り続けていた。ナム君死亡の知らせを聞いて、タイさんの家には哀悼の意を表するために多くの近所の住民が集まった。
今夜、多くの人が事故現場に通じる道路付近にバイクを停めて、このニュースを聞いており、一時現場周辺が混乱した。
2022年12月31日、ナム君と3人の友達は、自宅から1㎞程離れたロックセン橋建設現場にスクラップ拾いに出かけた。建設現場を通り過ぎる際にナム君は直径25㎝、深さ35mのコンクリート杭の中の穴に落ちた。目撃者によれば、穴に落ちた後10分程度は助けを求めるナム君の声が聞こえていたが、その後声は徐々に聞こえなくなっていった。
ドンタップ省レスキュー隊は、第9軍区部隊および、その他の多くの部隊と協力して、救出作業に当たったが、コンクリート杭は地中深くに埋められており、作業は難航していた。
出典:04/01/2022 VNEXPRESS
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