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中東情勢がベトナム農産物輸出に影響 紛争長期化なら最大80億USD減も

ベトナム産のザボン(ブオイ)の選別をする工場のスタッフ
(C)THANH NIEN

中東紛争、ベトナム農産物輸出に影響

ベトナム農業・環境省は、中東紛争が同国の農林水産物輸出に与える影響について、3つのシナリオを想定した分析を進めている。

3月11日に開催された同省の2月定例記者会見で、計画財政局のチャン・ザー・ロン副局長は、中東紛争がベトナムの農業生産や農産物輸出に直接・間接の影響を及ぼしていると説明した。

燃料高騰で物流費・肥料価格が上昇

中東情勢の緊張により世界の石油価格が上昇し、輸送コストや生産コストが大きく変動している。

特に肥料価格の上昇が顕著で、尿素肥料は現在1トン当たり540〜545USDとなり、2025年以来の高値を記録している。これにより国内の農業生産コストは3〜5%上昇した。

また、物流費も大幅に上昇しており、輸送運賃は25〜35%増加。さらに輸送期間も7〜14日延びており、木材製品や水産物などベトナムの輸出品の競争力低下につながっている。

紛争長期化なら輸出最大80億USD減

2025年のベトナムの中東向け農林産物輸出額は17億4,000万USDで、総輸出額の約2%にとどまる。

しかし現在の紛争はサプライチェーンの混乱を引き起こす可能性があり、2026年の輸出成長目標に影響を与える懸念がある。

農業・環境省は、紛争期間に応じて以下の3つのシナリオを想定している。

紛争が1か月続く場合
農林水産物輸出は約10億USD減少。

紛争が3か月続く場合
輸出額は30〜35億USD減少。

  • 中東向け輸出:5億〜6億USD減
  • 欧州向け輸出:15億〜16億USD減
  • 北アフリカ向け輸出:2億〜2億5,000万USD減

紛争が1年続く場合
中東向け輸出はほぼ停止。欧州・北アフリカ向け輸出も2025年比で50%減となり、農林水産物輸出全体で70〜80億USDの減少が見込まれる。

中国・日本・韓国市場の開拓を強化

農産物の品質・加工・市場開発局のレ・バー・アイン副局長によると、2026年2月までの中東向け農産物輸出額は約2億7,600万USDで、月平均は1億USD以上となっている。

しかし中東地域では紛争の影響で海上輸送が混乱し、一部の船会社は同地域への航路を停止している。さらに保険料も大幅に上昇し、特に冷蔵コンテナを必要とする水産物や果物などの輸出に影響が出ている。

こうした状況を受け、同省は中国、日本、韓国、ASEANなどの従来市場や米国向け輸出の拡大によって中東市場の減少分を補う方針である。

政府は商工省や財政省、海外の商務官事務所と連携し、各市場の動向を監視するとともに、企業が柔軟に対応できるよう対策を講じていくとしている。

中国市場に新たな輸出機会

ベトナム青果輸出協会のダン・フック・グエン事務局長によると、果物・野菜の輸出において中東およびEU市場の割合は全体の約10%に過ぎない。

一方、中東紛争の影響でホルムズ海峡の海上輸送が混乱すれば、EUや北アフリカ、南米から中国への農産物流通が滞る可能性がある。

その場合、中国は代替供給源を探す必要があり、ASEAN諸国、特にベトナムにとって新たな輸出機会となる可能性がある。

実際、2025年には中国、日本、韓国によるベトナム産バナナの輸入が南米産の代替として増加し、輸出額は4億500万USDを超え、前年から66%増加した。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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