新たな時代に入ったベトナム経済
ベトナムは、2045年までに豊かで繁栄した国となるという目標を掲げ、正式に「新たな時代」に入った。今後の加速期には、大きな成長機会が広がる一方で、多くの課題も立ちはだかる。
GDP成長率10%超を掲げる2026年計画
国会は、2026年の経済・社会発展計画決議を可決し、15の主要指標を設定した。
主な目標は以下のとおりである。
- GDP成長率:10%以上
- 1人当たりGDP:5,400~5,500米ドル
- 社会全体の労働生産性上昇率:約8.5%
- 都市部の失業率:4%未満
これらは1年単位の短期目標であるが、2045年に高所得国となるための第一歩と位置付けられている。
外国人投資家も「10%成長は可能」と評価
ベトナムに長年投資してきた外国人投資家の一人、ドラゴン・キャピタル創業者兼会長のドミニク・スクリブン氏は、ベトナムの高い成長目標は十分に実現可能であるとの見方を示した。
同氏は、世界各国が金融リスク、内政問題、国際関係、気候変動といった不確実性に直面する中で、ベトナムの経済環境は相対的に安定していると指摘する。政府の支援と一貫した政策の下、2025年のGDP成長は安定的に推移しており、2026年以降も年率10%成長は達成可能との認識を示した。
「神がかり的成長」には長期戦略が不可欠
一方、2桁成長を長期間維持することは容易ではないとの見方もある。
第二地域政治学院のグエン・バン・ディエン経済政治学部長は、次のように分析する。
2025年時点で、ベトナムの経済規模は5,100億USD超、1人当たりGDPは約5,000USDに達し、すでに中所得国上位グループに入った。
しかしそれでも2045年に高所得国となるには、2026~2030年に連続した2桁成長を達成し、その後も年7~8%成長を継続する必要がある。
成長を後押しする最大の柱はインフラ投資
ディエン氏は、現在のベトナムには多くの有利な条件があると指摘する。中でも重要なのが、戦略的交通インフラの整備である。
2026年には、ロンタイン国際空港の商業運航開始をはじめ、高速道路や鉄道などの大型プロジェクトが相次いで完成・着工する見通しだ。ロンタイン空港は単なるハブを超え、世界主要市場を結ぶ結節点となる可能性がある。
さらに、ニントゥアン原子力発電所1号機・2号機などの計画は、ハイテク産業やデジタル経済の発展を支える基盤となる。
デジタル経済だけでも、2030年に1000億USD規模に成長する可能性があるとされる。
投資乗数効果は「1対20」にも
ベトナムのようにインフラ不足が残る国では、公共投資1に対して民間投資が20生まれる可能性があるとディエン氏は強調する。
全国34省・市が再編後、それぞれ新たな成長空間を得ており、公共投資総額は極めて大きくなる見通しだ。
党・政府・地方が各段階を着実に管理すれば、2026~2030年の2桁成長は確実に達成できるとの見解を示した。
次の成長を支える新たな原動力
中長期的には、ベトナムは年7~8%成長を維持できる余地があるとされる。
背景には、米国など先進国による戦略技術分野への投資移転、17の新世代FTA締結による輸出環境の整備、人口高齢化が進む欧州・東アジアからの高品質FDI流入がある。
成長分野はデジタル・循環・グリーン経済
ディエン氏は、
- 循環型経済
- デジタル経済
- 電子商取引
- カーボンクレジット
- ソフトウェア産業
といった分野が、今後の成長の柱になると指摘。
特に重要なのは、制度改革を最大の成長エンジンに変えることだと強調する。
制度改革と民間活力が鍵
ハノイ国家経済大学のグエン・クオック・ビエット教授も、高成長は単年ではなく今後10年単位の国家目標であると指摘する。
第14回党大会決議では、民間経済の強化、科学技術とイノベーションの推進、国家の政策的役割が明確に示されている。
投資環境整備と信頼構築が不可欠
ベトナムの高井経済成長には、制度の重複・矛盾を解消し、簡潔で予測可能な法制度を構築することが急務とされる。
加えて、フィンテック、デジタル経済、再生可能エネルギーなどの分野でサンドボックス制度を積極的に導入すべきだとされている。
マクロ安定と資本市場の整備が長期成長を支える
経済専門家のディン・トゥアン・ミン氏は、長期的高成長の前提として、マクロ経済の安定と企業の信頼確保を挙げる。
明確な法的枠組み、経済活動の非犯罪化、安定した税制は、企業の長期投資を後押しする。
さらに、国際金融センター構想や証券市場の機能強化により、海外資本を呼び込み、インフラ投資と中小企業成長の好循環を生み出す必要があると指摘した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















