国際金融センターを正式発足
12月21日午前、ハノイで国際金融センター設立を公表する会議が開かれ、ファン・ミン・チン首相が議長を務めた。チン首相は、ベトナムが世界の投資資金を引き寄せる「唯一の機会」に直面していると強調し、発足式直後から関連機関が業務を開始するよう指示した。
伝統的成長モデルからの転換
ファン・ミン・チン首相は、2026年以降に2桁成長を目指し、国家の長期戦略目標を実現するためには、労働集約型産業や資源依存型の成長モデルに依存し続けることはできないと指摘した。今後は、科学技術、イノベーション、デジタル化、グリーン転換といった新たな成長エンジンへの転換が不可欠であるとした。
国際金融センターは、単なる投資誘致の場ではなく、高度な金融市場と金融サービス、新しい制度・政策、ガバナンスモデルを集積させることで、経済構造の再編を促す中核的存在になると位置づけられている。
「唯一の機会」となる背景
首相は、ベトナムの金融市場は域内で見ても時価総額が中程度にとどまり、成長余地が大きいと説明し、世界的な投資資本の再編と、ベトナムの成長志向が重なる今こそが、資本、技術、人材、物流を集積させる好機であると述べた。
国会が2025年に関連決議を採択した直後から、政府は8本の政令を短期間で整備した。首相はこれを立法スピードの新記録と評価し、資本移動の管理下での自由化、新技術向けの試験制度、優遇税制、専門人材向けビザ制度など、主要な障壁は解消されつつあると述べた。
「一つの中心、二つの拠点」モデル
国際金融センターは、「一つの中心、二つの拠点」という独自モデルを採用する。理念は「スマート・デジタル・グリーン金融」である。
ホーチミン市は、証券、債券、銀行、ファンド運用、上場支援などを担う大規模金融拠点として、世界の資本と国内企業を結ぶ中核的役割を果たす。
一方、ダナン市は特化型金融拠点として、フィンテック、資産管理、グリーン金融を重点分野とし、将来型金融モデルの「実験場」となることが期待されている。
直接競争は避け、独自路線を追求
首相は、既存の国際金融センターと正面から競争するのではなく、ベトナム固有の強みと差別化要素を生かした独自路線を取る方針を明確にした。他国の成功事例を学びつつも、自国の発展に資する形で制度設計を進めるとした。
投資家対応は特別プロセスで
運営面では、行政管理から「支援・創出型」への転換を求め、いわゆる「許認可型思考」の完全排除を指示した。投資家の課題は現地ワンストップで処理し、権限を超える案件は首相に直接報告する特別手続きを導入する。
また、空港、港湾、都市鉄道、環状道路などの交通インフラ、5G・6Gを含むデジタル基盤、自由貿易区の整備を加速する方針も示された。
自由化とリスク管理の両立
会議では、金融の自由化とシステム安全性の両立、投資効率とリスク管理の均衡が重要であると強調された。監督機関には独立性と透明性を確保し、マネーロンダリング対策など国際基準を順守しつつ、健全な資本流入を促す役割が求められている。
首相は、12月25日までに必要な人員、予算、施設を確保し、問題があれば直ちに報告するよう関係機関に指示した。
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ベトナム進出支援LAI VIEN



















