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ベトナムニュース【気候】中部に台風直撃の予測、86万人以上の避難を準備

(C) VNEXPRESS

台風16号(ノルー)は、過去20年間で最大級の台風になると予測されており、クアンビン省からビントゥアン省までの地域では、86万人以上の避難準備が進められている。

9月25日の午後、全国自然災害防止委員会が現在、南シナ海にある台風16号への対応を協議するためオンライン会議を開催した。資源・環境省の傘下にある気象庁のチャン・ホン・タイ長官は、過去数日にわたって気象庁では、日本、アメリカ、香港の気象庁と台風16号について定期的に情報交換をおこなっており、台風16号が風速が184㎞/hのスーパー台風になる可能性があるとの見解で一致していると述べた。

「この台風は非常に強く中心気圧は非常に低く均質な構造で高さは5~10km以上に達しています。」とタイ長官は話し、南シナ海には例年のような寒気が流れ込んでおらず、南シナ海を西に向かって進むと予測した。フィリピンを通過する際に台風は勢力を弱めるものの、南シナ海を通過する際に再度勢力を拡大するとみられている。台風は、未だ成長段階にあり、ホアンサー諸島の南側通過した場合は、更に勢力を拡大させるとみられている。

今回の台風16号はクアンナム省、ダナン市、クアンガイ省、ビンディン省の4か所を襲うとみられている。日本と香港の気象庁は、ベトナム上陸直前の台風の風速を134~149㎞/hのレベル13と予測しており、別の気象観測システムを活用しているアメリカの気象庁はレベル15~17に達すると予測している。

農業農村開発省のグエン・ホアン・ヒエップ副大臣は、台風16号はスーパー台風になりつつあると述べた。これは過去20年間で最大規模の台風であり、2006年9月に中部地域を襲い、死者・行方不明者76人、怪我人532人を出した台風(シャンセン)よりも強い可能性がある。台風16号の予想進路と上陸時刻は、シャンセンの時と非常によく似ている。

台風16号の進路予測を基に、ヒエップ副大臣は、政府に対してレ・バン・タイン副首相の直接の指揮下にある現地対策管理委員会を設置するよう助言した。現在、農業農村開発省では、台風の直接的な影響を受ける8つの地域を2つのレベルに分けている。ダナン市、クアンナム省、クアンガイ省、ビンディン省の4つの地域が自然災害リスク4(最大はリスク5)とされ、クアンチ省・トゥアティエン・フエ省、フーイエン省、カインホア省が災害リスク3に指定されている。

「既に対応シナリオは準備できています。最優先されるのは人命で、その後に船舶と漁業養殖を保護します。我々は24時間以内に船舶を危険地域から南側か北側に脱出させるよう呼び掛けています。海岸近くに船舶を停留させるのは非常に危険です。」とヒエップ副大臣は述べ、恐らく明日にも各地方自治体から自然災害警報が出され船舶の出港が禁止される見通しだと明らかにした。

ヒエップ副大臣はまた、各自治体に対して効果的かつ現実的な4原則の実施を確実にするよう求めている。避難シナリオが必要で、最も近くて最も安全な場所に避難する必要がある。 「現在のリスクレベルであれば、レベル4の地域の住民は避難させ、被害を最小限に抑えるために家屋を補強する必要があります。各地方自治体は、外出禁止令や学校の休校指示などを準備しておく必要があります。」とヒエップ副大臣は述べた。

全国自然災害防止委員会のファン・ドゥック・ルアン事務次長は、クアンビン省からビントゥアン省までの86万8230人の避難計画を検討していると述べた。その中には、台風上陸によって直接的な影響を受けるとみられているトゥアティエン・フエ省、ダナン市、クアンナム省、クアンガイ省の36万8000人が含まれている。

沿岸部や河口に住む住民は、大波や洪水、土砂崩れなどの危険性があるため、避難を余儀なくされる。船舶や水産養殖小屋で生活している市民も非難する必要がある。

船舶の状況についてクアンビン省からビントゥアン省までの海域の3万人の漁業関係者と5万7800隻の船舶に対して安全性の高い域への避難が呼びかけられている。その中には、現在ホアンサ-とチューンサーを含めた南シナ海で活動している739隻の船舶と7450人の漁民が含まれている。

今後24時間の危険ゾーン(風速レベル6)は、東経114度、北緯12.5度から20度の間とされている。この海域で活動している船舶は強風、高波、竜巻に曝される危険性が高くなる。ルアン事務次長は、「台風より早く走れる漁船など存在しない。」として各自治体に対して、危険地域にいる船に対してすぐに避難するよう呼びかけることを求めた。

今回の会議を指揮したレ・バン・タイン副首相は、昨年小規模な台風にもかかわらず船舶の避難が遅れて死者が出たことを例に、今回の避難指示について油断しないよう各自治体に念を押した。市民と船舶の安全確保に加えて、各自治体は、市民の作物と水産物も保護する必要がある。また、孤立した地域を支援するために水と食料も準備しておく必要がある。

9月25日の午後、ファン・ミン・チン首相は、タインホア省からビントゥアン省までの沿岸部の14省と中部高原地帯のザーライ省とコントゥム省に対して公電を送り、具体的な10の任務の実施を求めた。その中には、各省と市の人民委員会主席に対して、台風対策に専念するために緊急性の低い会議の延期、出港禁止令、学校の休校措置、船舶の避難指示、危険地域の住民避難指示、台風時の交通規制などが含まれている。

農業農村開発省と商工省は、各自治体と連携して堤防、貯水池、船舶、電力システム、農業・工業活動の保護活動をおこなうとしている。

2006年9月に台風シャンセンがダナン市とクアンナム省に上陸した際には、レベル13の強風が吹き荒れた。この台風によりゲアン省からクアンガイ省まで大雨となり、クアンビン省からトゥアティエン・フエ省までの地域では300~400mmの豪雨となった。死者・行方不明者が76人、怪我人が532人となり、35万戸以上の家屋が損壊し、1000隻以上の船舶が破損または沈没した。

出典:25/09/2022 VNEXPRESS
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