ホーチミン市科学技術局のグエン・ビエット・ズン局長は、優秀な人材を引き付けるために必要なのは適切な政策設計であり、収入面にこだわるべきではないと指摘した。
これは、10月10日に開かれたホーチミン市のために科学者や特別な才能を持つ人材を引き付けるための政策に関するセミナーでズン局長が述べた見解だ。
ホーチミン市は、2014年から2018年にかけて優秀な人材の採用試験を実施し、月給1億5000万VNDで17人の専門家を採用した。しかし、2019年からの正式導入時には月収は1300万～1500万VNDに引き下げられ、サイゴンハイテクパーク管理委員会の職員3人しか採用できなかった。
ズン局長によるとホーチミン市の優秀な人材採用に向けた試験期間から正式導入への移行には多くの欠点があった。給与額が適正でないことに加えて、実施プロセスも非常に複雑で募集から契約までに最大18か月もかかっている。行政機関での採用に大学や研究機関のような専門家採用登録をおこなうことは現実的ではない。
「例えば、ある大学教授が計画投資局で働いているなら、これはライオネル・メッシを雇うようなものですが、周りに誰もいないのにどうやって活躍することが出来ますか？」とズン局長は話し、研究者にとって重要なのは研究環境であると指摘した。
ホーチミン市の専門家採用プロセスは体系化されておらず、長期のビジョンと周到な準備が欠けている。ズン局長は、例えば現在から2045年までの政策立案のために、専門家会議を1回だけ開催し、数ヶ月で専門家に研究結果を求めるのは無理がある。言うまでもなく、各部門はバラバラで、研究結果を体系的に纏める術は存在していない。
ホーチミン市都市開発計画協会のボー・キム・クーン博士も優秀な人材は、活躍できる環境が必要だと話す。優秀な人材を集めるのは最初のステップにすぎず、優秀な人材を活かすためには、その後の段階的な戦略が必要になる。ホーチミン市が新たな研究環境を提供しなければ、優秀な人材を活躍させることはできない。
一方で、ホーチミン市バイオテクノロジー研究所のグエン・ダン・クアン所長は、専門家や科学者を集めるには、収入も重要な問題の1つだと指摘する。実際、クアン所長の研究所では、ホーチミン市の優秀人材採用試験段階では、4人の優秀なスタッフを採用することができたが、2019年にホーチミン市が優秀人材採用制度を正式に導入して以降、全員が研究所を去っていった。「月収を1億5000万VNDから1300~1500万VNDに引き下げられて人が集まるはずがありません。」とクアン所長は指摘する。
このセミナーでの意見は、現在の議定54号が今年いっぱいで期限切れとなるため、代わりとなるホーチミン市の特別制度に関する草案において、優秀な人材を引き寄せる政策の参考とするために、ホーチミン市人民委員会と市の党委員会に送付される。
出典：12/10/2022 VNEXPRESS
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