ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ベトナムニュース【気象】国内で最も暑い3つの地域

(C) VNEXPRESS

ゲアン省のトゥーン・ズーン県、ハティン省のフーンケー県、クアンチ省のドンハー市の3か所がベトナム国内で最も暑い地域とされており、気温が43℃を超えたこともある。

この3つの地域はお互いに数百㎞離れているが、猛暑という点で共通している。6月末と7月中旬にこれらの地域では、35℃以上の気温が1週間続いた。

ドンハー市の中心部では、午前9時にもかかわらずアスファルトが焼け付き、市民は日差しを避けるために素早く移動する必要があった。トゥーン・ズーン県とフーン・ケー県も畑の土にひびが入り、作物が枯れ、一部の池や湖が干上がった。

気象予報センターのグエン・バン・フーン所長は、トゥーン・ズーン県とフーンケー県、ドンハー市の3か所が国内でも最も暑さの厳しい地域だと指摘し、同じ省内の地域と比べても常に0.5~1.5℃程度は気温が高く、近隣の省よりは1~2℃も気温が高いと述べた。気象庁の統計情報によれば、2019年4月20日にフーンケー県は43.4℃を記録しており、これは国内での過去最高気温となっている。

2019年4月22日付のアメリカのワシントンポスト紙にはフーンケーの最高気温について次のような記事が掲載された「これは地球の気温が上昇し、世界各国で最高気温の記録が塗り替えられている中で、ベトナムが近年観測した中で最高気温だった。」
ワシントンポスト紙は43.3℃という気温は、クレヨンが溶け出し、屋外に駐車している車の車内温度を60℃以上に押し上げるほどの熱気だと説明している。

フーンケー県以外にトゥーン・ズーン県とドンハー市も暑さが際立っている。以下は、1990年から2021年までに気象庁が観測したこの3つの地域の最高気温の一覧だ。

トゥーンズーン年月フーンケー年月ドンハー年月
41.21998/740.91998/841.41992/5
42.22007/440.82001/441.72015/4
412014/440.22007/7422015/5
41.72015/4412014/341.52016/4
41.72019/443.42019/4412019/4

フーン所長は、この国内で最も暑いとされる3つの地域は中部の西側山岳地帯に位置しており、フェーン現象の影響を最も受けやすいと説明する。通常、中部で発生する強烈な熱波(35~37℃)と特別激しい熱波(37℃以上)は、このフェーン現象の影響であることが多い。

フェーン現象の風は、タイ湾で形成されカンボジアとラオスを通過してベトナムにやってくる。中部のチューンソン山脈に風が当たると山を越えて下降気流になって付近の温度を上昇させる。この現象は、通常4月から9月中旬の午前8時ごろから午後にかけて発生する。

「フェーン現象による風は乾燥して温度が高いため、この地域の気温が上昇します。湿度は30%以下まで下がることがあり気温は43℃まで達することがあります。」とフーン所長は話す。

北中部気象観測所のタン・バン・アン所長は、エルニーニョ現象が発生した年も気温が上昇すると説明する。地形的にもトゥーン・ズーン県には石灰岩の山が多数存在し、放射熱によって更に気温が上昇する。フーンケー県は、土地が砂地で街路樹が少ないので、気温が上がりやすいとされている。

ゲアン省では、トゥーン・ズーン県以外にもコン・クオン県が猛暑で有名だ。この地域も2019年6月22日に、過去最高気温の43.3℃を記録している。これは、高さ2mの屋根付きの観測地点で計測された気温で、実際の屋外の気温は更に2~3℃高く、場所によっては4~5℃も高くなっていた可能性がある。

これらの地域は最高気温が高いだけでなく年間の猛暑日の日数も多い。北中部気象観測所の統計データによると、この地域の年間の猛暑日は少なくとも50日以上あり、100日を超えることもある。気温は4月から7月にかけて上昇し9月になると徐々に低下する。4月、5月、8月の月間の猛暑日は10~12日程度で、6月と7月は16日程度になる。

(C) VNEXPRESS

この3つのエリアの中では、ドンハー市が最も年間の猛暑日が多い。クアンチ省の気象観測所の統計データによると1992年には112日あり、1990年から現在までの平均は71日となっている。これまでの最高気温は1980年4月24日の42.1℃で、1990年から現在までに42度近い気温が1992年、2015年、2016年、2019年に観測されている。

猛暑が続くと熱風によって草木が枯れ、川や貯水池の水位が下がり、塩害、水不足、山火事などが発生しやすくなる。一方で日中と夜の寒暖差が激しいことで、一部の特別な果樹を栽培することが出来るというプラスの面もある。強い日差しは再生エネルギーとして活用できる可能性があり、多くの国で経済発展のために再生可能エネルギーについて研究が進められている。

中部地方に住む人々は、長く続く猛暑に慣れており、この環境に適応するために多くの対処法を持っている。しかし、経済発展のために太陽エネルギーを活用する方法は、地域にとって依然として残された課題となっている。

出典:17/07/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作