国連開発計画(UNDP)ベトナム事務所の代表者によると、ベトナムは廃棄物からプラスチックを回収してリサイクルする活動が遅れており、年間30億USD近くを無駄にしている。
7月15日にビンディン省で開かれた固形廃棄物の管理効率を向上させるソリューションとプラスチックの海洋汚染削減に向けた会議において、国連開発計画(UNDP)ベトナム事務所のケイトリン・ウィーセン所長は、ベトナムのプラスチック廃棄物は1日あたり1万9000トンに達していると述べた。ある海岸では、漁師の網にかかる魚とプラスチック廃棄物の比率は3対1に達している。
COVID-19以降の活動としてベトナムが廃棄物資源を活用するのをサポートするため、グローバル環境基金とノルウェー政府が200万USDを出資して、海洋プラスチック廃棄物管理プロジェクトを支援することが決まった。
このプロジェクトは、中央政府レベルと地方自治体レベルの2つの要素からなり、スーパーマーケットやホテルからのプラスチック廃棄物の回収を強化し、小規模スーパーからは年間22トン、中堅または大規模スーパーからは年間73~220トンのプラスチック廃棄物を回収し、大規模住宅地にもプラスチック収集ボックスを設置して1日20~100トンのプラスチックを回収する。
さらにこのプロジェクトでは、地方のコミュニティに廃棄物回収ツールを提供し、廃棄物の保管場所のインフラ整備などの支援を実施する。また、使用済みマスクの試験的な回収プロジェクトや、リサイクルが出来ないプラスチックのエネルギー活用方法などの検討もおこなう。
まず今後5年間、このプロジェクトを120万USDの予算でビンディン省で試験的に展開する。UNDPは、地域の民間部門と非正規のごみ収集業者の協力によって再生可能ゴミとプラスチック廃棄物の価値を高めるために廃棄物収集施設を設立する。この施設では、1日あたり2~4トンのプラスチック廃棄物を処理できる予定だ。
ケイトリン・ウィーセン所長は、「私たちは漁業分野での廃棄物管理モデルを試験的に運営する予定です。このモデルでは、漁師は漁に出るたびに廃棄物を持ち帰ることが推奨されます。私たちの共同の取り組みによって毎月5トンのプラスチック廃棄物が海に出ることが防がれ、年間1000トンとされる海への廃棄物を削減することが出来ます。」
ビンディン省人民委員会のグエン・フィー・ロン主席は、クイニョン市だけで毎日70トンのプラスチック廃棄物を含む300トンの廃棄物が発生しており、廃棄物処理が観光産業の発展と市民生活の向上にとって重要であると指摘した。ロン主席は、今回のプロジェクトがビンディン省のプラスチックリサイクルを促進し、観光客に美しい観光地のイメージを届けることに貢献することを期待している。
出典:15/07/2022 VNEXPRESS
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