ホーチミン市とロンアン省では、一部の工業団地の土地の賃貸価格が1㎡あたり270~290USDまで跳ね上がっており、過去最高値を記録している。
Cushman＆Wakefieldの最新のレポートによると、南部の5つの主要工業地域の工業団地の土地の賃貸価格が2022年第2四半期に新たな段階に突入した。工業団地の価格だけで見ると南部の主要な5つの省と市の中でホーチミン市は1㎡あたり270USD（640万USD）と非常に高い価格を提示している。この価格には管理費とVATは含まれていない。
一方、ロンアン省では、工業団地の土地の提示価格が1㎡あたり290USD（680万VND）となり、一気にホーチミン市の価格を超えた。ビンズン省、バリア・ブンタウ省、ドンナイ省も㎡あたりの工業団地の価格が110USD、180USD、195USDとなり、過去最高呉価格を提示している。
Cushuman＆Wakefieldのレポートによれば、第2四半期に工業団地の賃貸価格は急騰したが、この価格帯で販売している工業団地は、立地条件が良く、インフラも整備されている一部の工業団地だけであることも付け加えられている。市場全体でみると、南部の主要な市と省の工業団地の平均価格は1㎡あたり135USD前後で推移している。
一方でCBRE Vietnamによると、南部のホーチミン市、ビンズン省、ドンナイ省、ロンアン省、バリア・ブンタウ省の第2四半期の工業団地賃貸価格は、前年同期比で平均8~13％上昇している。一部の南部の有名工業団地では賃貸料が12か月前から26%上昇しているケースもある。
CRRC Vietnamの調査コンサルティング部のタイン・ファム副部長によると、南部では新たに稼働する工業団地では、予約販売の段階で多くの引き合いが来ている。工場や倉庫用の土地の需要は、様々な業種で日々高まっている。現在のように工業団地の価格が上昇している中では、顧客は予約注文をすることで、少しでも有利な条件を交渉できるというメリットがある。
ベトナム工業団地のフイン・ブー・チャン社長は、今年に入ってから南部の工業団地に入居する企業で生産規模を拡大したいと考える企業が大幅に増えていると指摘する。この動きによって、第2四半期に工業団地の価格が大幅に上昇したとみられている。
チャン社長によると、南部の工業団地価格が上昇したのには大きく2つの理由がある。まず第一に製造が大幅に回復し市場規模が絶えず成長していく中で、工業用不動産の需要が拡大していること。2つ目は、ますます多くの一次投資家と二次投資家が南部の工業団地に参入してきていることにある。工場や倉庫のための工業用地の需要が拡大すれば、賃貸価格は上昇する。
Cushuman&Wakefieldのチャン・ブイ社長は、これらの地域は全国的に見ても非常に早い時期から工業都市として開発されてきたため、賃貸価格も高くなると指摘する。北部や中部よりも一歩先に進んでいることに加えて、ベトナム国内で最も経済発展を遂げているホーチミン市に隣接していることが、南部の工業用不動産を常に国内外の投資家にとって常に魅力的な場所としている。
チャン・ブイ社長は、南部の工業用不動産市場は、2022年に入ってから需要と賃貸価格の新たなサイクルに入ったと評価する。工業用不動産が急激に発展する一方で、物流サービスと南部のEコマース専用の巨大な倉庫需要もあり、2025年までは力強い発展が予測されている。
Cushuman&Warefieldのチャン・ブイ社長は、南部の工業団地は国内のサプライチェーンだけでなく、グローバルなサプライチェーンにとっても重要な役割を果たしていると指摘する。南部は17の省と市で構成されており、その中には、ベトナム国内で最も経済発展しておりベトナム市場へ参入を希望する新しい投資家にとってもっとの人気の高いホーチミン市が含まれている。また、南部には工業団地や製鉄所、石油精製所、火力発電所に隣接する大規模な港湾も整備されている。
ベトナム海事局によると、2022年上半期にベトナムの港を通過した貨物は昨年の同時期に比べて2%増の3億7080万トンに達した。このうち、ホーチミン市が6720万トン、バリアブンタウ省が4690万トンを占めている。
カイメップ・チーバイ港では、COVID-19の感染が拡大していた2020年に全長399.23m、幅59m、積載重量21万4000DWT、貨物取扱能力2万TEUの世界最大級のコンテナ船マルグレーテ・マースクの受け入れに成功した。
チャン・ブイ社長は、上記の利点によって南部の工業用不動産は、周辺国や世界の商品積み替えの中心地になるだけでなく、国内産業と連結することでグローバルサプライチェーンの切り離せない一部になるという大きな飛躍を遂げる可能性があると予測している。
出典：18/07/2022 VNEXPRESS
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