2022年7月末までにベトナムを訪れた外国人観光客は70万人に達したが、当初計画の年間500万には遠く及ばない。
文化・スポーツ・観光省のグエン・バン・フン大臣は、8月10日の国会常任委員会の会議において、関連する多くの問題について報告をおこなった。
COVID-19の影響によって約2年間も観光旅行が凍結された後、ベトナム政府は2021年11月20日から試験的に5つの地域からの外国人旅行者受け入れを再開し、2022年3月15日からは、全ての国からの旅行者を受け入れた。統計データによると、海外からの観光旅行客は、2022年1月から7月まで、毎月平均62%の増加を続けてきたが2022年の年間受け入れ計画の15%しか達成していない。
一方で、国内の観光旅行は力強く復活している。2022年7月までの国内旅行者数は延べ7180万人に達した。宿泊業と飲食店の売上は324兆9000億VNDとなり、旅行会社も前年比2.7倍の11兆9000億VNDの売上を記録している。
フン大臣は、外国人観光客が少ないことについて、ベトナムへの観光旅行者の70%近くを占める北東アジアの各国で、中国がゼロコロナ政策を堅持して感染防止対策に力を入れているのをはじめ、未だに出入国に関して制限を設けていることが原因だと指摘した。また、ロシアとウクライナの軍事衝突は、ベトナムとロシアの航空便の運行に影響を与え、ロシアからベトナムへの観光旅行者も激減した。
海外からの旅行者が少ないもう一つの理由は、ベトナムの旅行会社と海外の旅行会社の連携がとれていない点にある。特にパンデミックの影響によって多くの旅行会社が倒産、解散したことが、連携を難しくした。
東南アジア諸国での海外旅行者の獲得競争が激化している。タイは、長期滞在する旅行者向けに特別観光ビザ(STV)を発給している。このビザは90日までの滞在が可能で、2回まで延長することも可能だ。
今後の観光産業発展のため、グエン・バン・フン大臣は、2045年までを視野に入れた2021年から2030年までの観光需要促進計画を作成し、11月に首相に提出すると述べた。
フン大臣は、政府に対して出入国手続きを柔軟かつ簡素化し、EU、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどビザ免除対象国を拡大し、国際線のルートを広げ、観光インフラへの投資を進めるよう提案した。
旅行業界の企業と労働者の困難を解決するため、フン大臣は政府と国会に対して、旅行業界への付加価値税の減税措置の延長、土地の賃貸料の減額、法人税の減税、2022年と2023年の交通、宿泊、飲食など旅行関連サービス業の個人所得税の50%減税などを提案した。
さらに、フン大臣は、旅行用宿泊施設に適用される電気料金の引き下げを2022年末まで延長し、2023年以降も製造業の電気料金と同額にするよう提案した。
各地方自治体についてフン大臣は、旅行会社がツアー料金を引き下げ、観光需要を活性化させるために2022年中の観光地の入場料を無料とすることを検討するよう提案した。
出典:09/08/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作