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ベトナムニュース【海外】海外で働く労働者の90%が低スキル人材

(C) VNEXPRESS

専門家によると現在ベトナム人労働者は世界40カ国以上に存在し、主に単純労働に従事しているが、将来的には高度なスキルを持つ海外労働人材の割合を増やす必要がある。

8月16日に開かれたセミナーで労働・傷病兵・社会省は、ベトナムは1980年代から労働力輸出を開始し、現在では年間10万人を海外に送り出していると述べた。現在、ベトナム人労働者は40カ国以上に存在し、30以上の分野で仕事をおこない、年間30億USD以上をベトナムに送金している。

日本への労働者派遣で10年以上の経験を持つエスハイ社のグエン・スアン・ライン副社長は、海外への労働者派遣は、ベトナムに多くの成果をもたらしたと評価する。1990年代ベトナムには約15社の労働力輸出企業が存在し、年間1万5000人を派遣していた。それが現在では500社以上に増加し、年間10万人以上を派遣するまでに成長した。これまでベトナムは日本のように月収1200~1400USDで労働者を求める市場を戦略的に選択してきた。

ライン副社長も実際にこれまで海外で働く労働者の90%以上が専門性と外国語能力の低い肉体労働者のグループであったことを認めている。高度な専門性や技術力が求められる労働者は10%にも満たない。これまでベトナムの労働力輸出は、貧しい労働者の雇用創出に焦点をあて、大学生や専門学校生などが海外で技術や経営管理などを学ぶことには関心を持ってこなかったからだ。

ライン副社長は、このような歴史的経緯から海外で働くのは貧しい人や失業者だという誤った認識が社会的に定着しつつあると分析する。また、海外で働くことを希望する労働者の約80%が将来的なキャリアのためにスキルと経験を習得するという考えを持たず、目の前のお金を稼ぐことに意識が向いている。生活を変えるために海外に働きに出たとしても、この考え方を変えられないとベトナムに帰国してから仕事を見つけられず悪循環に陥ってしまう。海外労働者の帰国後の就業問題は、管理機関にとっても頭の痛い問題となっている。

「帰国した労働者の就業問題について解決策を相談してくる地域の指導者がいましたか?」とライン副社長は問いかけ、労働者を海外に送り出す前の募集と教育が重要だと強調した。この事前準備をうまくできれば、労働者は海外でお金を稼ぎながら技術を学ぶことが出来るようになる。また、帰国後も労働者は政府機関などの支援が無くても自分で仕事先を探せるようになる。

長期的には政府は海外で働く高度専門人材の割合を増やすために、専門分野の連携強化を図るためのロードマップを作成するべきだとライン副社長は指摘する。高度人材グループの労働者は、他国の先進の製造技術を学び、ベトナムに貢献する人材となれる。

ベトナム労働輸出協会のグエン・ルーン・チャオ元会長も同様の意見で、労働力の輸出構造における高学歴労働者の割合を考え直す時期に来ていると述べた。そのためには、海外で働くためのプログラムに大学生や専門学校生が参加することを推奨していく必要がある。

労働力の質の低下に加えて、ホーチミン市国家大学のグエン・ディン・クオック・クーン教授は、ベトナムの労働力輸出に幾つかの問題点があると指摘する。特にベトナムの仲介業者は、ベトナム人労働者の能力を偽って紹介しているために、海外企業はベトナム人労働者のスキルが十分でないことを恐れて、採用を躊躇するようになり、ベトナム人労働者の海外でのイメージを悪化させていると指摘する。

クーン教授は、ベトナムはこのような状況を抑制するために海外で働く労働者と専門家の国家データベースシステムを構築すべきだと提案した。労働・傷病兵・社会省は、国家管理機関のシステムと接続して、労働者を派遣する企業や組合と海外の企業に対してデータベースの構築を要求するという重要な役割を果たす必要がある。
また、海外で働く労働者に識別コードを付与し、業務内容に変更などがあった場合には、適時情報をアップデートする。

労働者の権利保護の観点から、ベトナム労働総同盟のブー・ミン・ティエン会長は、海外で働くベトナム人労働者が問題に直面した場合の相談相手がベトナム人に限定されていることを問題視する。海外で働くベトナム人は、職場の環境に馴染めず、コミュニケーション、買い物などで差別を受けやすいが、相談先は限られている。

ティエン会長は、ベトナムの労働組合と受け入れ国の労働組合が協力してベトナム人労働者が問題に直面した時にすぐに連絡してサポートが受けられる体制を構築するか、海外で働く労働者による合法的な互助グループを設立し、ベトナム大使館に相談する前に支援できる体制を構築する必要があると述べた。

出典:16/08/2022 VNEXPRESS
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