燃料高騰が生む行動変化
ガソリン価格の高騰が、個人の移動手段に大きな変化をもたらしている。自家用バイクや車から公共交通へと移行する動きが広がり、都市交通の転換期が訪れている。
この流れは一時的な現象ではなく、長期的な交通行動の変化につながる可能性があると指摘されている。
メトロ・バス利用が急増
ここ1週間、ホーチミン市中心部では、平日にもかかわらず交通渋滞が大幅に緩和された。
背景には、燃料費節約のため外出を控える動きに加え、メトロやバス(特に電動バス)
への利用転換がある。
ホーチミン市内の公共交通利用者数は2026年3月、前年末比で約35%増の1日平均34万人に達した。
特にメトロ1号線(ベンタイン〜スイティエン)は東部の基幹路線として定着し、週によっては約50万人の利用者を記録している。
電動バスがイメージ刷新
電動バスの普及も大きな変化をもたらしている。
従来の「騒音・排ガスが多い」というイメージから一転し、
- 静音性
- 排ガスゼロ
- 充電設備や案内表示の充実
により、幅広い層の利用を促している。
公共交通のシェア拡大へ
これまでホーチミン市では、公共交通の分担率は10%未満にとどまっていた。
しかし、
- メトロの本格運用
- バスの電動化(50%以上が電気・CNG化)
により、2026年末には15%に接近する見込みである。
同様の動きはハノイでも進んでおり、都市鉄道の利用者数は2026年第1四半期で570万人超と過去最高を記録した。
「黄金の機会」を逃すな
当局は今回の利用増を「好機であり課題でもある」と位置付ける。
今後は、
- バス路線の運行調整
- サービス品質の向上
- 車両の増強
などを通じて、利用者の定着を図る方針である。
コスト差が行動を変える
経済面でも、公共交通への転換を後押しする要因は明確である。
ガソリン価格が1リットルあたり約2万7,000〜2万8,000VNDの場合、
- バイク利用:約70万〜80万VND/月(実質は最大120万VND)
- 公共交通機関利用:約20万〜30万VND/月
と、最大で月50万〜80万VNDの差が生じる。
このコスト差が継続すれば、利用行動の変化はさらに進むとみられる。
鍵は政策との組み合わせ
ただし専門家は、「価格要因だけでは構造的変化には至らない」と指摘する。
現在、公共交通の利用率は依然として10〜15%にとどまり、アジアの先進都市(40〜60%)と比べて大きな差がある。
このため、
- 公共交通機関利用者への優遇
- 都心部への自家用車規制(課金・駐車制限など)
といった「アメとムチ」の政策が必要とされる。
持続可能な都市交通への転換点
専門家は、現在の状況を「3つの要因が重なる黄金期」と分析する。
- 燃料費高騰による行動変化
- メトロなどインフラ整備の進展
- 環境重視の都市政策
これらが同時に作用することで、持続可能な都市交通への転換が現実味を帯びてきた。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















