DHL報告、ベトナムの貿易拡大を予測
物流大手のDHLが発表した「グローバル連結性レポート2026」によると、ベトナムは今後数年間にわたり、世界でも有数の貿易成長が期待される経済圏の一つになる見通しである。
同報告書は3月10日に公表され、貿易および外国直接投資(FDI)が過去数十年にわたりベトナム経済の発展において中心的な役割を果たしてきたと指摘した。
ドイモイ以降、急速に世界経済へ統合
1986年当時、ベトナムの1人当たりGDPは約420USD(2024年価格ベース)と、世界でも最低水準の一つであった。
しかし、同年に始まったドイモイ政策を契機に経済は徐々に国際社会へ統合され、国民生活水準も大きく改善した。
その結果、2024年には1人当たりGDPが約4,700USDまで増加している。
また、経済構造も輸出志向へと大きく転換した。
1986年から2024年の間に、GDPに占める輸出額の割合は9%から87%へと大幅に上昇した。
この背景には、ベトナムが多くの国際機関や協力枠組みに参加し、世界経済への統合を進めてきたことがある。
FTAネットワーク拡大が貿易成長を後押し
ベトナムは現在、広範な自由貿易協定(FTA)ネットワークを構築している。
主な協定には次のものが含まれる。
- CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)
- RCEP(地域的包括的経済連携)
- 欧州連合(EU)とのFTA
- ユーラシア経済連合とのFTA
こうした協定が輸出拡大を後押ししていると分析されている。
貿易成長ランキングで世界上位
DHLの「トレード・アトラス2025」では、各国の貿易成長見通しを次の2つの指標で評価している。
- 成長規模(貿易量の絶対増加)
- 成長速度(貿易量の増加率)
2025年から2029年の期間では、以下の4カ国が両指標で世界トップ30入りすると予測されている。
- インド
- ベトナム
- インドネシア
- フィリピン
このうちベトナムは、貿易成長規模で世界5位、成長速度で29位と見込まれている。
2030年までの貿易拡大、世界4位の予測
2026年1月までの最新予測では、ベトナムは世界でも特に有望な貿易成長市場の一つとされている。
2026年から2030年の期間において、ベトナムの貿易額の増加規模は世界4位になると予測されている。
順位は次の通りである。
- 中国
- インド
- 米国
- ベトナム
一方、貿易量の成長速度は年平均約6%(複合成長率)と予測され、世界24位と見込まれている。
人材と地理が大きな強み
DHLの代表は、ベトナムの将来性について次のような強みを挙げた。
- 質の高い人材
- 発展が進む物流インフラ
- 空港・港湾
- 流通ネットワーク
また、外国直接投資(FDI)の流入も非常に活発であり、ベトナムはDHLの国際物流ネットワークにおいて戦略的に重要な20カ国(GT20)の一つに位置付けられている。
特に地理的条件の優位性により、今後さらに発展する可能性が高いと評価されている。
中東情勢の影響は限定的との見方
「グローバル連結性レポート2026」の著者であるスティーブン・アルトマン氏は、中東地域の情勢が世界貿易に影響を与える可能性を指摘している。
同地域は世界の貿易の約4~6%を占めているためである。
ただし同氏は、こうした影響は短期的なショックにとどまる可能性が高いと分析している。
過去の経済データや歴史的な傾向を踏まえると、世界的なグローバル化の流れは今後も続き、地域経済も比較的早期に回復するとの見方を示した。
ベトナム、貿易大国トップ15入り
ベトナム商工省によると、2021年から2025年の輸出入総額は約3兆8000億USDに達した。
これによりベトナムは世界の貿易大国トップ15に入った。
さらに政府は、2026年に輸出入総額1兆USDを達成するという歴史的目標の実現も視野に入れている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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