「自分は大丈夫」と思っていても、海外赴任中の健康リスクは意外に高いものです。ある調査によると、63%の赴任者が「健康診断の悪化」を経験し、「飲酒習慣」は平均2.2倍、「中性脂肪」は9%上昇すると報告されています。
また、25%の企業では過労死ラインを超える長時間労働が常態化しており、健康影響が懸念されています。特に、心臓・脳血管疾患による死亡割合は日本国内同世代の2.6倍、自殺割合は4.5倍と深刻な結果を示しています。
メンタル面では、40代で最も不調が発生しやすく、帯同赴任者の不調は単身赴任者の2.3倍に上るとのデータもあります。フィジカル面では、50代と60代での不調が最も多くなっています。
健康管理の第一歩は、定期的な健康診断を受け、その結果を軽視せず、必要な治療を受けることです。生活習慣を整え、暴飲暴食を避けましょう。
メンタルの不調は目に見えにくく、特に日本人が少ない赴任地では、周囲が気づかないこともあります。「食欲がない」、「眠れない」、「便の調子が悪い」などの症状は、メンタルの不調を示すサインかもしれません。これらのサインに早期に気づき、適切なサポートを受けることが求められます。
健康を守ることは、赴任者自身だけでなく、家族や企業にも大きな影響を与えます。無理に1人で抱え込まず、上司や同僚、人事担当者、医療機関などのサポートを活用し、健康な赴任生活を送りましょう。
次回のコラムでは、海外での医療保険についてご紹介します。