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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.46
遅刻常習者に対する労働法
ベトナムの4つの懲戒処分

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― 弊社のベトナム子会社では、ある従業員がしょっちゅう遅刻するので、彼への処分を検討しています。遅刻した時間に相当する賃金を給与から控除することは、法的に問題ないでしょうか。

フィンチー ベトナム労働法では、使用者が懲戒処分の実施に代えて、従業員の賃金を減額する行為は禁止されています。

 従業員が使用者の道具、設備、財産を故意・過失により毀損したことによって生じた損害の賠償を請求する場合であれば、使用者は当該従業員の賃金からかかる損害相当額を控除することは考えられますが、本件はこれに該当しません。そのため、ご検討中の給与からの控除は残念ながら、ベトナム労働法に違反することになります。

―― なるほど。では、どのような処分が考えられますか?

フィンチー 貴社の子会社で、遅刻を懲戒処分の対象となる行為として定めた就業規則を作成し、管轄する労働当局に登録した場合に、かかる就職規則に従って懲戒処分を課すことはできます。

―― 就業規則を新たに作成する場合、遅刻はどのような懲戒処分の対象にできますか。

フィンチー 労働法では、譴責、6ヶ月を超えない昇給期間延長、降格、解雇といった4つの懲戒処分の形式が定められています。しかし、解雇は窃盗等の労働法に定める一定の違反行為のみに対して適用できるとされていますので、遅刻は解雇以外の3つのいずれかに定めることが考えられます。

―― ありがとうございます。すぐに就業規則を作成して登録するようベトナム子会社に伝えます。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス、パラリーガル。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在は法令リサーチ等弁護士の業務のサポートを行う。