ファン・ミン・チン首相は、2024年1月のベトナム経済について、工業、サービス、小売り売上高などの柱となる指標が昨年同期比で8~18%増加しているとして、経済回復傾向を評価した。
これは、2月1日の午前中に開かれた政府定例会議でチン首相が述べた内容だ。それによれば、1月の経済成長は安定しており、インフレ率も昨年同期比で3.37%増に抑えられている。
経済の柱である農業、工業、サービスの指数は、いずれも1月に上昇した。計画投資省のレポートによれば、鉱工業生産指数は、18.3%増加しており、このうち製造・加工業は19.3%の伸びを示している。また、小売とサービスも8%以上の伸びとなった。
同じく輸出と輸入も前年同期比でそれぞれ42%と33%増加した。これは、ベトナム経済が回復傾向にあることを示しており、1月の貿易黒字は29億USD以上となった。
「1月の経済指数は、前向きな回復傾向を示しています」とチン首相は評価している。
2024年に入ってすぐに各国際機関は2024年のベトナムの経済成長率が2023年を上回る可能性があると予測した。具体的には、アジア開発銀行(ADB)が2024年のベトナムの経済成長率を6%と予測しており、IMFも2024年のベトナムの経済成長率は、世界第20位の5.8%に達すると予測している。
1月の成果は、年間を通じた経済成長の勢いを生み出す土台になるが、チン首相は、ベトナムが依然として貿易相手国の経済回復の遅れや世界的なインフレ圧力などの課題に直面しており、今後も楽観視は出来ないとの認識を示した。
ベトナム経済の内包する問題は完全には解決されておらず、国内企業は依然として困難に直面している。1月に市場から撤退した企業数は約5万3900社で、これは依然としてリスクが残されていることを示している。
2023年同様、2024年のベトナムは、公共投資、消費、輸出の増加とデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)、FDI誘致などの新しい成長エンジンを通じて経済成長を加速させることが期待されている。
「従来の成長の原動力を刷新し、新たな成長の原動力を促進する政策が必要とされています」とチン首相は述べている。
同時にチン首相は、企業の困難や障害を取り除き、製造と販売を促進させ、雇用を創出し、ベトナムがグローバルサプライチェーンにより深く参入し、サプライチェーンの欠陥を補うための政策についても言及した。チン首相はさらに、国営企業グループに対してイノベーションを促進させ、スタートアップを奨励し、既存のリソースを最大限に活用するように求めた。
2024年の経済成長率を6~6.5%まで引き上げるために、計画投資省は、構造改革に加えて、外交政策の成果から生まれるであろう新たなチャンスを最大限に生かす必要があると指摘している。計画投資省によれば、企業の製造と販売、雇用創出を早急に回復させるために、税、通貨、貿易、投資に関する様々な政策が必要になる。
もう一方で、加工、製造、エレクトロニクス、半導体、水素などのハイテク分野における大規模なFDIを積極的に誘致することも必要になる。また、不動産市場の混乱を解決するための政策を早急に取りまとめ、今年中に13万個の社会住宅の完成を目指すことも必要だ。
出典:01/02/2024 VNEXPRESS提供
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