インターネットは全世界に張り巡らされたネットワークですが、その管理は小さい組織等に委ねられています。管理者は「この通信はこっち」、「この通信はあっち」という感じでルーティングポリシーという道案内をしています。これをBGP(Border Gateway Protocol)と言い、その管理単位として自律システム番号(AS番号:AS number)が割り当てられています。
例えば、ベトナム国内でWebサイトを閲覧する場合、接続している通信事業者(プロバイダー)は、各ユーザーが閲覧したいWebサイトが収容されているサーバーのネットワークへの経路を判定します。「混んでいたり止まっていたらあちら」や「混んでいても無理やりこちら」という設定ができ、各AS事業者がそれらの経路設定(BGP設定)を行っています。世界全体で1~65535のAS番号が割り振られており、各ネットワークを自律的に管理しています。
国内にとどまらず、世界のサーバーに対して経路設定がなされます。最短ルートや混み合っていないルートなら「早い」、その逆は「遅い」や「つながらない」となります。海底ケーブルの障害が時々発生するベトナムでは、国外向けの通信も制御するBGP設定やそれを行うAS事業者が肝となります。
対するサーバー会社側も、AS番号を保有して経路設定する事業者(主にデータセンター所有者)や、AS番号は持たずに回線業者に委託する事業者に分けられます。
ちなみに、このBGP設定ができるBGPルーターは1台●千万円もします。節約も価格転嫁もできないインターネット通信事業者は、日が当たらない業種の一つです。