モノ作りをされる皆さんは、モノを見れば原材料費が瞬時に頭にひらめき、加工賃や必要経費を足して価格が妥当かどうかの判断をします。一方、世間で言うところのIT業界、ソフトウェア開発業やWebサイト制作業などは、原価はほぼ人件費だけです。アイデアや特異性を付加価値として高い収益率を保っています。
同じIT業界でも私が所属するサーバーホスティング業(情報通信業)は設備屋さんで、サーバーサービスを提供するには、光ファイバー(上位回線)+サーバー+ライセンス+保守に関わる人件費+時には設備の更新や修繕の費用+利益を積算をした上で価格を決定します。
お客さんの見方も違ってきます。単発的なソフト開発やWeb制作と異なり設備は「毎月の固定費」となるため、低価格が選ばれたり値切られることも多々あり、多くのサーバー会社はびっくりするような低利益率でサービスを提供しています。
特許が生まれるような業種でもありませんので、差別化は難しく、まさに「おもてなし」が付加価値です。簡単に収益を得るには「いかに原価を下げるか」で、不当に下げればぼったくりにもなり得ます。化粧品に例えれば100円で作って3000円で売るか、30円で作って100円で売るかの違いです。安すぎる化粧品は怖くて買えないですが、サーバーは安い方が好まれる。同じ理屈なのに……。
話が逸れてしまいましたが、適正な価格は各業界に存在しています。きちんと相談できるパートナーを探すことが事業を支え、良きパートナーになり得る。「IT」の分野も同じではないでしょうか。