今回は輸入関税についてです。読者の皆様もEMSなどで海外から何かを輸入した際に、関税を支払った経験があるかもしれません。
関税は日本もベトナムも同じくCIF価格に対して課税され、課税額が決まります。CIF価格とは簡単に言えば、商品代金に輸入国の港や空港に到着するまでの全ての輸送保険費用を合算した金額です。このCIF価格に定められた関税率を掛けることで課税額が算出されます。
関税率は各国のそれぞれの事情が反映されており、関税をかける一般的な理由には、①財源の確保、②国内企業・市場の保護、③国外からの投資誘致の促進などがあります。
日本では、得意分野の機械類や電気機器類の関税は0%である一方、市場保護の観点等から農産物などは品目によって高関税率になるものもあります。最近のアメリカでは、財源を確保し、国内産業を保護し、海外からの投資の呼び込むために関税率を上げるような動きをしています。一概には言えませんが①~③が揃った例ですね。
各国が貿易相手国と個別に協定を結ぶことで、通常の関税率より低い特恵関税を設定する場合もあります。日本とベトナムでも複数の経済協定があり、関税の減免税が実施されています。
では、細かなアイテム単位の関税率はどのように照合するのか。そのためHSコードという世界共通の6桁の番号があり、これを元に各アイテムの関税率が詳細に定められています。HSコードの選定を誤れば関税額も誤って算出されます。言い換えれば通関を行う上では正しいHSコードの選定が重要であり、次回はこちらを深くお話いたします。

























