ベトナムが2023年の経済成長率6.0~6.5%達成を目指す中で、計画投資省は、2023年下半期の2つの経済成長シナリオをアップデートした。
これは、7月4日に開催された政府と地方自治体との会議で計画投資省のグエン・チー・ズン大臣が社会経済情勢を報告した際に言及した内容だ。
それによると、ベトナムの2023年第2四半期の経済成長率は4.14%に達し、2023年上半期の経済成長率は3.72%となった。下半期の経済状況見通しと上半期の成果を踏まえて、計画投資省は下半期の2つの成長シナリオをアップデートした。
第1のシナリオは、年間経済成長率を6%と見込んでおり、達成のためには第3四半期に6.8%、第4四半期に9%の成長が必要とするものだ。この四半期ごとの経済成長率は当初シナリオよりもそれぞれ0.3ポイントと1.9ポイント高いものになっている。このシナリオでは、下半期全体の経済成長率は8%に達する必要がある。
第2のシナリオは、年間経済成長率を6.5%と見込んでおり、達成のためには第3四半期に7.4%、第4四半期に10.3%の経済成長が必要で、当初のシナリオよりそれぞれ0.9ポイントと3.2ポイント高くなっている。この場合、下半期全体の経済成長率は8.9%に達する必要がある。
「2023年に6.5%の経済成長を達成するのは、非常に大きなチャレンジになるでしょう」と計画投資省のズン大臣は述べている。
計画投資省は、目標達成のために多くの解決策を提案しており、その中で、各省庁、地方自治体は問題点を解消し、企業の製造・販売活動を支援し、成長の原動力として国内の消費、投資、輸出を促進させる必要があると指摘している。
企業にとって効果的且つ中長期的な資本動員チャンネルになるために、株式市場、不動産市場、労働市場などを厳しく監視し、問題を解決する必要がある。
また、計画投資省によれば、地方分権化に伴い行政手続き改革を加速し、事業投資環境を改善し、国民や企業にメリットを最大限に高める必要がある。
これまでに多くの国際機関がベトナムの2023年の経済成長率予測を下方修正しているが、依然として基本的には前向きな水準である。例えば、国際通貨基金(IMF)は、6月末に発表した報告書で、ベトナムの経済成長率予測を5.8%から4.7%に下方修正している。
2023年上半期の社会経済状況を振り返って計画投資省は、6月の経済指標は5月より改善しており、第2四半期も第1四半期より改善されていると指摘した。
上半期の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比3.39%増で、減少傾向を示している。貿易黒字も122億USD以上に達している。投資も明るい兆しを見せており、前年同期比4.7%増の1350兆VND(約8.2兆円)となり、前年同期比で4.7%増加した。公共投資の支出額は65兆VND(約3965億円)以上となり、計画の30.5%に達した。
サービス業は依然として経済成長の重要な原動力であり、成長全体の80%に貢献し、上半期の成長率は6.3%だった。
新規企業登録数も前向きな傾向にあり、上半期には約1万3900社が新規に設立され、7100社が市場に復帰した。この数字は前年同期の3.1倍にもなる。
多くのポジティブな要素は認められるものの、ファン・ミン・チン首相は、ベトナムの社会経済状況は依然として困難な状況にあると述べた。チン首相は、2023年上半期の経済成長率が3.72%となり当初計画の6.2%を大きく下回ったことや、企業の製造販売活動、労働と雇用には未だに多くの課題が残されていることに留意しなければならないと指摘した。一方で、公務員が失敗を恐れ、責任を回避しようとする状況も問題だとしている。
計画投資省の報告書はまた、製造業と建設業の1.1%という低成長が、ベトナムの上半期の経済成長率が計画の60%までしか伸びなかった原因であると指摘している。
その中で第2四半期の不完全雇用労働者の比率は2.06%だった。労働力の削減は多くの工業団地が集まっている、ハノイ、ホーチミン市、バクザン省、ドンナイ省、バクニン省、ビンズン省などに集中している。
「新型コロナによる長期間の影響の後、ベトナム国内企業の回復力は弱まっており、特に中小企業が限界に達しつつある」と計画投資省の報告書は指摘している。
会議の後で政府には、企業の事業活動における困難な問題を解決し、行政手続き改革を引き続き促進し、公務員の規律強化に関する決議や議定を発行することが期待されている。
出典:04/07/2023 VNEXPRESS
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