ベトナムの財務省によれば環境保護と排気ガスの排出規制に関する税制によって、新たに国家予算に年間1兆2000億VNDの財源が見込める。
ガス排出量に応じた環境保護税の徴収を規定する議定の草案について、財務省は各省庁、地方自治体、企業の意見をヒアリングしている。
財務省は、経済発展に伴い、ベトナムの大都市、工業団地などの大気汚染が深刻化しており、国民の健康に重大な被害を与え、経済に悪影響を与え、環境を脅かしていると指摘する。
このような大気汚染の原因の一つはガスを排出する施設や車両だ。
現在ベトナム国内には約510万台の自動車とさらに多くのバイクが流通している。また、ボーキサイト、鉄鋼、精油、電力など多くのプロジェクトが複数稼働している複合施設が数十か所存在する。さらに約12万社の製造業が活動しており、その中で138の企業が深刻な環境汚染を引き起こしており、建設業者も約11万社存在する。これらの企業は環境に悪影響を与える産業排気ガスや粉塵を大量に排出している。
財務省によれば大気汚染の原因となる排気ガスを排出している企業や個人の大半は、自らの責任を十分に認識していない。そのため、排気ガスの排出量に応じた環境保護税の徴収に関する政令の検討が必要となっている。
これは新たな政策であり、徴収税額の根拠を算出するために汚染物質の排出量を確定する必要がある。そのため、財務省は政府に対して、当面は鉄鋼、コークス、無機基礎化学薬品、無機肥料と窒素化合物、石油精製、発電、セメントなどにかかわる企業のみを規制対象として環境税の負担を義務付けるよう提案している。
地方自治体との協力による調査から財務省は、排気ガスに関する環境保護費用が重複して徴収されることが無いようにするため、新たな規定を工業廃水に関する規定(議定53号)と同様の内容とすることを検討している。
その結果、草案では環境保護税は2段階構成になっており、まず、ばいじん、NOx、SOx、COの4物質以外の物質の処理費用を確保するために全ての排出施設に対して一定の費用負担を求める。さらに上記4物質の排出量を監視する必要がある施設に関しては、排出量に応じた変動制の税額が徴収される。
固定税額は、当初年間300万VNDとし、毎年見直される。排出量に応じた変動制の税額について財務省は排出ガス1トンあたり500~800VNDを提案している。これらの費用の納付先は天然資源環境省が担当する。
この環境税徴収による国家予算への影響について財務省は、新たな制度が導入されれば年間1兆2000億VNDの増収につながると試算している。この歳入は、排気ガスを排出している地域の環境汚染対策に使用される。
出典:13/08/2023 VNEXPRESS
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