ベトナム宇宙センターのレー・スアン・フイ副所長によれば、ベトナム初のレーダー技術衛星LOTUSat-1が2024年3月に完成予定で、2025年初頭の打ち上げを目指している。
LOTUSat-1は、合成開口レーダー(SAR)技術を使用しており、あらゆる気象条件下で高解像度の画像を撮影できる機能を備えた地球観測衛星だ。 衛星の画像データは、画像ソースの需要に対応し、自然災害や気候変動の影響を最低限に抑えるための正確な情報を提供し、天然資源を管理したり、環境を監視し、社会経済の発展に貢献する。
フイ副所長は、『地球観測衛星を活用した自然災害と気候変動への対応』プロジェクトに基づくLOTUSat-1の開発は、日本のODA資金とベトナムのカウンターパート資本により2021年9月からハノイのホアラック・ハイテクパークで展開されてきたと説明する。
2023年11月末時点でプロジェクトのインフラ建設は99%完成し、現在設備の組立て準備に取り掛かっている。LOTUSat-1の製造は、2024年3月に完成し、2024年12月から2025年2月までの打ち上げが予定されている。
ロードマップによれば、2024年9月までにホアラック・ハイテクパーク内のベトナム宇宙センターにおける衛星運用システム全体が完成する予定だ。その後、システム全体が稼働し、衛星からの信号を受信する準備が整う。
フイ副所長によれば、レーダー衛星は他の光学衛星とは異なり、あらゆる気象条件、例えば曇りや濃霧、低照度などの条件下でも画像を撮影することが出来る。フイ副所長は、このレーダー衛星から提供される画像が、曇り空のベトナムの気象予測に重要な貢献を果たすことが期待されると述べた。
ベトナム宇宙センターでは、衛星開発の他にレーダー衛星画像処理技術の講習会や、衛星が軌道に乗った後のデータの有効活用に向けた技術と人材の育成を進めている。「衛星は軌道上で5年間運用される予定です」とフイ副所長は話す。
LOTUSat-1を効率的に活用するため、2023年11月にベトナム科学技術アカデミー(VAST)のチャウ・バン・ミン会長が日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山川理事長と会談し、双方が宇宙技術分野の科学協力の実現可能性調査実施に関する協定締結に合意した。
この協定により、両国は軌道上でのLOTUSat-1の運用経験、ベトナム宇宙センターの運営経験などを共有し、衛星画像データの共有方法を検討する。
ベトナムと日本は2006年から宇宙技術分野での協力を開始した。JAXAの支援の下、VASTのエンジニア達は、Pico Dragon、Nano Dragon、Micro Dragonというベトナム国産の3つの超小型衛星を開発し、JAXAによって宇宙軌道への打ち上げが成功している。
出典:01/22/2024 VNEXPRESS提供
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