ビール業界は、商業施設やレストランなどと同様に飲酒運転の規制強化の影響を受けており、2023年には20%の減収・減益となった。
これは、3月15日にベトナムビール・アルコール飲料協会(VBA)が明らかにした内容だ。この協会によれば、レストランやバーを中心にビールなどの消費量が激減した主な理由の一つに、飲酒運転の規制強化があるという。
VBAは、2023年のビール業界の業績について、売上高が11%、税引き前利益が23%減少し、業界の成長率はマイナス7%となる見込みだと説明する。
例えば、ビール業界の最大手2社の利益は2023年に大幅に減少したとみられている。サイゴン・ビール・アルコール飲料公社(SABECO)の決算報告書によれば、税引き後の利益は前年比23%減の4兆2550億VNDとなっている。新型コロナの影響を受けた2021年を除けば、この数字は2016年以降最低の水準だ。
同じくハノイ・ビール・アルコール飲料公社(HABECO)も2023年の税引き後利益は前年比30%減の3550億VNDとなっている。
VBAによると会員企業は飲酒運転の規制強化を支持しているが、厳しすぎる措置はこの業界の製造とサプライチェーンに影響を与えると考えている。「多くのレストラン、観光地などでは、客足が遠のき営業が出来なくなっており、労働者、収益、納税額などが軒並み減少しています」とVBAの担当者は話す。
VBAのグエン・ズイ・フン副会長は、飲酒運転の規制強化に加えて、新型コロナの感染拡大による支出の引き締めもビール業界に打撃を与えたと分析している。ビールの原材料価格が20~40%も上昇しており、製造メーカーは販売価格へ転嫁せざるを得ず、消費者の負担が増加している。
また、ベトナム商工会議所(VCCI)のダウ・アイン・トゥアン副会頭によれば、アルコール飲料業界は、特別消費税の税率変更の影響も受ける可能性がある。
昨年、財務省がヒアリングした特別消費税改正法案の草案によれば、ビールなどのアルコール飲料はアルコールの消費を抑制する目的で増税が検討されている。現在の特別消費税は、ビールが65%、酒類が20度を目安に35~65%となっている。
VBAは、増税は必要だと認めつつも企業の回復を支援するために特別消費税修正案を2025年以降に適用するように提案している。
一方で企業側は、アルコール飲料業界への深刻な経済的ダメージを与え、税収が減少することを懸念して、政府に対してアルコール飲料の特別消費税を増税しないよう要請している。企業側の意見では、増税による販売価格の値上げは、消費習慣を変える効果的な手段ではない。
業界団体は政府に対して、増税ではなく、メーカーが技術革新を進め、適切な商品を開発し、消費者と経済に利益をもたらすことを奨励する政策を打ち出すように要望している。
出典:2024/03/15 VNEXPRESS提供
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