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【不動産】都市部で店舗物件が埋まらない理由

(C) VNEXPRESS

大家が高額な家賃を維持する一方で、テナントは経営が困難で賃貸料を削減せざるを得ないため、都市部の多くの物件が空き物件となっている。

ハノイの中心部のキンマー通り、グエンタイホック通り、ハンボン通り、フォーフエ通り、グエンルーンバン通りなどには、多くの空き店舗物件を見かける。中には、昨年末から現在に至るまでテナントが見つかっていない物件もある。

ヌイチュック交差点からグエンタイホック通りまでのキンマー通りでは、奇数番地だけでも約30件の店舗が閉店しており、貸し出し中の張り紙がされている。以前、この通りには、婦人服やアクセサリーなどの販売店が軒を連ねていた。

空き店舗に張り紙や看板を出すだけでなく、多くのオンライングループでも毎日のように店舗の貸し出し広告が何十件も掲載されている。コウザイ区でスパを経営しているクイン・アインさんは、まだ3ヶ月分の家賃前払い分が残っているにもかかわらず、スパを家賃2000万VND(スパの譲渡費用は含まない)で売りに出した。クイン・アインさんが店を売ることを決めたのは、今年に入ってから経営が上手くいっていない中で、大家から契約更新時に家賃を10%値上げすると言われたからだ。しかし、5月初めから不動産仲介業者に依頼したり、自分でも情報を投稿したりしているが、未だに買い手は見つかっていない。

ショップハウスも借り手が見つからない状況だ。タイホータイ都市区域で昨年初めに引き渡されたプロジェクトでは、現時点でも借り手が見つかったのは10軒に満たず、そのうち2軒は韓国の銀行が借りている。ナムトゥーリエム区、ハドン区、ロンビエン区などの住宅街でも3~4年前の各住宅の投資額が200億VNDを超えていたにもかかわらず、状況は芳しくない。

2017年からハノイで不動産仲介業を営んでいるミン・トゥーさんによれば、これまでに今ほど好立地の選択肢が増えたことはない。「以前、キンマー通りの賃料が1500万~2000万VNDの店舗やサーダン通り4,5階建ての住宅には、ひっきりなしに問い合わせが来ました。しかし、現在では状況が非常に厳しくなり、大家がデポジットを減額したり、支払いを6か月分前払いから3か月分前払いに変えても借り手はなかなか見つかりません」とトゥーさんは話す。

同様にホーチミン市でも、コロナ明け以降、グエンフエ通り、レロイ通り、ゴードゥックケ―通りなど1区の一等地にある物件が空き物件のままとなっている。

長年ホーチミン市1区で不動産仲介事業を営んでいるフンさんによれば、以前、高級日本レストランだった物件が長い間放置されている。しかし、フンさんによれば大家は、賃貸料を3億VNDという高い水準で維持し続けている。レロイ通りでも多くの建物に販売や賃貸の看板が出されている。

ホーチミン市7区のショップハウスも状況は良くない。グエンバンリン通り、カオチェウファット通り、ファンキエムイック通りなどフーミーフンエリアの主要道路でも、販売や賃貸の情報が書かれた空き物件が目立っている。

このエリアは、以前はオフィス、レストラン、銀行などが集まるにぎやかな場所だったが、昨年末からは、空き物件が目立つようになっている。このような状況にもかかわらず、多くの大家は賃貸価格を下げるつもりはないようだ。グエンバンリン通りにある100㎡のショップハウスの家賃は月に4800~5000万VNDとなっている。以前、美容院だったこの物件の大家は、家賃の値下げには応じておらず、やるとしても4ヶ月分のデポジットを2ヶ月分に下げるくらいしか考えていない。

ハノイでは、物件の解約がコロナが流行し始めた2020年から増加しており、一部の地域では家賃の値下げが起きている。2022年半ばごろには、中心部のタウンハウスのビジネス需要が回復したが、回復傾向はそれほど長くは続かず、2023年の第3四半期末からは再び、物件の解約が増加している。

複数の市場調査会社によれば、2024年に入ってから、市内中心部での賃貸物件の借り手が見つからない状況がさらに進んでいる。サヴィルズの専門家によれば、このような状況の原因は、賃貸価格が高どまりしていることとEコーマスの急速な普及にある。専門家の調査によれば、2024年のホアンキエム区にある路面店の賃貸価格はコロナ前から20%も上昇しており、今後さらに上昇すると予測されている。

ハノイ市内でコンサルティングと不動産仲介業をおこなっている企業の代表者は、空き物件の増加は、消費者の必需品以外への支出を控えようとする状況を反映したものだと説明する。このため、カフェ、レストラン、ジュエリーショップ、美容院、娯楽施設などの企業の多くが厳しい状況に追い込まれている。

それに加えて、同氏は、オンラインショッピングの普及が進んだことで、多くの企業(大手小売、カフェ、レストランチェーン、フランチャイズ店を除く)が店舗にかけるコストを削減する傾向にあることも原因だと指摘する。「多くの中小企業経営者は、毎月の家賃を1000~1500万VND下げることが出来れば、広告費やスタッフの増員などの費用が捻出できると考えています」と同氏は話す。

実際、2010年からハノイで衣料品販売をおこなっているテー・マイン氏は、ハイバーチュン区とバーディン区に店をだしていた。しかし、店舗への来客数は年々減少しており、現在売上の70%以上をオンライン販売が占めていることを理由に、マイン氏は昨年末に店舗をザンボー通りの小さな路地に移転することを決めた。

出典:2024/05/23 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載