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【社会】ハノイに残る311人の大家族

(C) VNEXPRESS

ハノイに住むガイさんの総勢311人となる大家族は、毎年初夏に子供たちの学業成績発表会を開催し、大家族旅行の準備をおこなう。

「恐らくハノイで最も子供や孫が多い家族は私たちの家族でしょう」とハノイ市ホアンマイ区に住むグエン・バン・ガイさん(90歳)は話す。ガイさんは、1910年生まれのグエン・バン・ディンさんと1914年生まれのグエン・ティ・サムさん夫妻の長男として生まれた。

ディンさん夫妻には、10人の息子と5人の娘が生まれた。子供たちが成長して結婚するたびに家族のメンバーはどんどんと増えた。娘と息子の数は30人(嫁と婿を含む)になり、孫が89人、ひ孫が129人、玄孫が67人、来孫が6人となった。現在、ディンさんの家族は、高齢のために亡くなった12人を除いて、全部で311人いる。

トゥーンマイ村(現在のチューンディン通り)では、ディン夫妻は、機知に富んだ人物として知られており、15人の子供達全員が高校卒業までの教育を受けた。

ガイさんによれば、兄弟は全員が両親から公務員になるよう教育された。兄弟のうち3人は大学を卒業し、6人は農業、機械エンジニア、教員などの分野に進み、3人は鉄道関係で働き、残りの3人はベトナム戦争に従軍した。兄弟の5番目にあたるグエン・バン・クイさん(1935年生れ)は、ケサン、クアンチなどの前線で戦闘に参加し、6番目のグエン・バン・ミンさん(1941年生れ)は、戦車部隊に参加し、11番目のグエン・バン・ホンさん(1950年生れ)は、クアンナム省の最前線で戦闘に参加した。

現在に至るまで、孫、曾孫、玄孫、来孫と続く世代が学業を修め、教育、医療、外交など様々な分野で働くという家族の伝統を引き継いでいる。

グエン・ホン・チュエンさん(42歳)は、祖父のディンさんが亡くなったときはまだ2歳だったので何も覚えていないが、祖母のサムさんが亡くなったときには、家族全員が集まったことを覚えている。「告別式には長い行列が通りの終わりまで続いていました。祖母を墓地まで見送るために、家族やご近所の人を乗せるための29人乗りのバスを24台手配しました」とチュエンさんは話す。

この大家族は、多くがトゥーンマイ村の周辺で暮らしているが、それぞれに仕事があるので全員が集まることは稀だ。それでも毎年祖父母の法事(旧暦の11月中旬)と家族の年長者の長寿のお祝いという年2回の機会には、ほぼ家族全員が集まる。「身内だけの集まりですが、毎回22~25テーブルは準備が必要です」とチュエンさんは、話す。

最年長の孫であるグエン・レ・タンさんは、家族の伝統としてこの30年間、長寿のお祝いを最も大切にしてきたと話す。これは、サムさんが80歳になったときに始まった習慣だ。それから、ほぼ毎年家族の中の誰かの長寿祝いをしてきた。

今年初めにおこなた長寿祝いでは、70歳から90歳までの6人の家族に花とプレゼントを贈った。子供や孫たちは音楽を演奏したり、家族のメンバーと伝統に関するクイズ大会をおこなったりした。

今回の長寿祝いで曾孫たちに出されたクイズの1つは、ディン家の15人の子供たちの順番と氏名を正確に答えた人に賞金が与えられるといういうものだった。「最初簡単な問題だと思いましたが、実際には思った以上に難しかったです」と参加した高校生で曾孫のゴック・ナムさんは話してくれた。

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大家族は、よく一緒に夏休み旅行に行く。例えば、2018年のタインホア省ハイホアビーチへの旅行には112人が参加し、2019年のハイティエンへの旅行には136人、2022年のハロン湾への旅行には148人が参加した。

「旅行に行ったら、45に人乗りのバスに乗るオレンジの集団についていけばいいので、道に迷う心配は全くありません」と玄孫で貿易大学の学生であるグエン・クアン・フイさんは話す。

「オレンジのお揃いのシャツを着るたびに、笑いと愛に満ちた大家族の一員であることが感じられて誇りと幸せを感じます」高校入試に合格したばかりの玄孫であるホン・チャンさんは話す。

しかし、家族の年長者が歳を重ねるにつれて、悲しいニュースも増えることになった。誰かが病気になったり、入院したり、亡くなったりしたときには、そのニュースが孫や曾孫たちにも伝えられる。

タンさんは、最も感動的だったのは2023年の初めに13番目のグエン・バン・トゥアンさんが脳卒中で倒れたという突然の悪い知らせが届いたときから始まったと話す。トゥアンさんの健康状態は悪化し続け、2回の手術を余儀なくされ、困難な病との戦いが始まった。

そのような苦しい状況の中で、大家族は団結を示した。孫とひ孫は個人的な用事を脇において、交代でトゥアンさんのそばにいて、3時間交代で2人ずつが担当することにした。家族の中で医療関係に従事する者は、専門性を生かしてこの分野での優秀な医師や最適の治療法について調べた。他のメンバーもトゥアンさんの妻や義理の母を手助けするために自分の時間を割いた。

約3か月後、トゥアンさんは回復し、歩くことは困難だが、家で介護を受けられるようになった。

「13番目の兄弟について兄たちは特別な関心を持ち、90歳になる長男のガイさんは足が悪いにもかかわらず、今でも弟を励ますためにうちに来ます。次男のタインさん(88歳)と五男のタンさん(77歳)も午後になるとうちに来て弟をマッサージしてくれます」とタンさんは話す。

大家族が今日まで秩序を維持できたのは、家族の団結と前の世代から続く伝統を維持するためのたゆまぬ努力の賜物だとガイさんは話す。ガンさんは、常に家系図をアップデートし、家族の物語を記録し続けている。

何世代もが集う大家族の食事の最中には、「昔おじいさんが・・・」や「昔お父さんが・・・」といった物語が語られ、子や孫たちは、自分たちが偉大な大家族の一員であることに誇りを感じる。

現在、孫世代のタンさんやチュエンさんから玄孫や来孫に至るまで、誰もが年2回の大家族の集まりを楽しみにしている。

「この幸せな日には、家族みんなが広い庭に集まり、年長者は昔の思い出を語り、何十人もの子供たちは楽しそうにはしゃぎまわり、家族への愛と誇りが高まります」とタンさんは話してくれた。

出典:2024/06/28 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載