ベトナムに輸入される日本産ホタテの価格は、大きさによって1kgあたり15万~60万VNDとなっており、昨年の約半値となっている。
日本産のホタテは、以前は高級品として1kgあたり100万VND以上の価格がつけられていたが、最近では以前よりも普及し価格も下がっている。ハノイ在住のマイ・アインさんは、昨年購入したホタテが1kgあたり30万VNDだったが、今年は同じサイズが1kgあたり15万VNDで売られていると話す。価格が手ごろで栄養価も高いので、アインさんは、最近家族に食べさせるためにホタテをよく購入している。
ホーチミン市では、日本産のホタテが多くの業者によって販売されている。現在、1kgで20~25個入ったホタテが55万VNDで販売されており、昨年から30%値下がりしている。
ホーチミン市の大手水産チェーンのCEOは、以前は日本産ホタテを輸入する業者は限られていたが、最近では業者の数が数倍に膨れ上がり、価格競争が起きていると語った。より多くの顧客を獲得するため、このCEOの会社では、今年から冷凍ホタテだけでなく、生のホタテも輸入するようになった。生のホタテは冷凍よりも高いが、品質の良さから売上は、年初から3倍に増加している。
ベトナム水産品輸出加工協会(VASEP)は、日本の財務省のデータを引用し、今年上半期に日本はベトナムに1万3075トンのホタテを輸出したと述べた。この数字は、前年同期と比べて21倍となっている。ベトナムの輸入価格は平均して50%近く下落している。
日本産のホタテのベトナムへの輸出が急増したことについてホーチミン市で水産品卸売事業を営むタン氏は、福島の原子力発電所の処理水放出を理由に中国が日本からの魚介類の輸入を禁止したため、日本が新たな市場の開拓を迫られたからだと説明する。ベトナムを含めた東南アジア諸国は、日本のホタテの輸出先として新たな魅力的市場になりつつある。
ベトナムは、ホタテの消費市場であるだけでなく、ホタテを加工して日本へ再輸出する拠点にもなりつつある。ベトナムの水産加工工場は、北海道産のホタテの加工しており、その後、日本に再輸出されてレストランや小売店に供給されている。税関総局の統計によれば、2024年1月から7月までにベトナムは日本からホタテ、サケ、タコ、ニシンなどの水産物を1億150万USD輸入している。
出典:2024/08/26 VNEXPRESS提供
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