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【経済】ベトナムの経済成長率6.1%と予測

(C) VNEXPRESS

世界銀行(WB)は、輸出、観光、消費、投資の回復によりベトナム経済は改善傾向にあると評価した。

8月26日、WBは、最新のベトナム経済報告書を公表した。それによれば、ベトナム経済は、多くの課題に直面する世界情勢下において、優れた耐久力を示していると評価されている。ベトナムの2024年GDP成長率についてもWBでは4月に発表していた5.5%を上回る6.1%と予測しており、2年後には6.5%に達する可能性があるとしている。

統計局のデータによれば、2024年上半期のベトナムの経済成長率は6.42%となっている。WBは、今年の上半期のベトナム経済の成長は輸出、消費、投資の回復によるものだと評価している。統計総局のデータを基にWBが試算したところでは、今年上半期の輸出額と輸入額は前年同期比でそれぞれ16.9%と17%増加した。投資と消費もそれぞれ6.7%と5.8%伸びている。

海外需要の回復も製造業とサービス業の輸出安定に貢献した。第2四半期と上半期の良好な経済成長結果を受け、政府は今年の経済成長シナリオを更新し、国会の定めた目標である6~6.5%を上回る7.0%に向け努力するとしている。

現在、WB以外にIMF、ADB、UOB、スタンダードチャータード銀行、HSBCなど他の国際金融機関も今年のベトナムの経済成長率が6%を超えると予測しており、中には6.5%と予測しているところもある。

しかし、WBの分析チームは、ベトナムはまだコロナ前の成長軌道には戻れていないと評価している。国内の需要は依然として弱く、信用が力強く成長していない中で、不良債権が増加している。ベトナム国家銀行のデータによれば、6月末時点の不良債権比率は4.56%で、2022年末から倍増している。

主要貿易相手国であるアメリカと中国は国内で多くの問題に直面しており、貿易額は来年以降減速すると予測されている。その一方で、インフレ率は今年4.5%から4%に下がり、2年後には3.5%まで下がる見込みだ。経常収支は、若干の黒字で安定しており、政府債務と政府保証債務の対GDP比は徐々に低下している。

世界銀行の東アジア太平洋地域のマクロ経済貿易投資部門のセバスチャン・エッカード部長は、成長の勢いを持続するために、ベトナムは、引き続き構造改革と公共投資を促進し、同時に金融市場のリスク管理をおこなう必要があると指摘する。

WBの主席エコノミストであるドルサティ・マダニ氏は、ベトナムは公共投資に加えて、民間投資の促進も必要だと指摘する。「外部環境は変化しており、様々な場所でグリーントランスフォーメーションが進んでいます。ベトナム企業は、製造分野でGX技術の適用を検討する必要があります。先駆者になればチャンスをつかみ、市場でより多くのシェアを獲得できるでしょう」とマダニ氏は述べている。

マダニ氏は、アメリカがベトナムを市場経済国として承認しなかったことに言及し、これが両国のこれまでの貿易の流れに影響を与える可能性は低いと述べた。海外直接投資(FDI)も安定した流入が続くとみられている。しかし、マダニ氏は、FDIを維持するためにベトナムは労働者の質と交通、通信、電力などの基礎インフラを改善していく必要があるとも述べた。

出典:2024/08/26 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載