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【経済】母国の物価高に驚く海外在住ベトナム人

(C) VNEXPRESS

韓国在住のフォン・マイさん(40歳)は、家族を訪問するためにベトナムに帰国した際に2億VND以上使っていたことを知ってショックを受けた。

バリア・ブンタウ省出身のマイさんは、帰国前からベトナムの物価が上がっていることは予想していたが、飛ぶようにお金が無くなっていくとは思いもしなかった。

マイさんは2018年に韓国人男性と結婚し、夫の故郷に住むことになった。2024年末、結婚後初めてベトナムに帰国することになったマイさんは、家族を食事に連れて行ったり、両親や兄弟夫婦、子供達にプレゼントを買ったりするため出費がかさむことは覚悟していた。家族と離れていた時間を補うためにマイさんの帰国時の1日の平均出費額は100~300万VNDで、多い日には1000~1800万VNDを使った。

ベトナムに一時帰国した初日のことをマイさんはよく覚えている。マイさんが近所の雑貨屋でミルクを買いに行くと9000VNDだった。「以前は5000VNDだったのに!とびっくりしました」とマイさんは話し、「あらゆるものの値段が非常に高くなっていました」と付け加えた。

「最初の帰国の時は、居心地が良かったのですが、次からはお金を節約しないと貯めていたお金が一瞬で無くなりそうです」とヒエンさんは話す。

「ベトナムの一部の商品やサービスの価格はアメリカより高いこともあります」とカリフォルニアでIT企業のCEOを務めるクアン・ビンさん(39歳)は話す。

2024年11月にベトナムに帰国したビンさんは、ホーチミン市内の多くのレストランの価格がサンフランシスコの最高級レストランと変わらないことにショックを受けた。ビンさんは、その1例としてビンタイン区のランドマークで食べた50USDのフォーを挙げた。

数十年の海外生活の間にビンさんは、ベトナムに約20回ほど帰国したことがあり、毎回2~4週間ほど滞在する。ビンさんは、ホテル代、食費、交通費などを含めて1回の滞在費を約5000USDと見積もっている。支出の多くが食費だ。来客をもてなすため、ビンさんは、いつもアメリカと大して値段の変わらないルナムやスターバックスといったカフェやレストランを利用する。

「あまり”ベトナムの物価は安い”と考えない方がいいと思います。中級以上の商品やサービスの値段はアメリカと大差ありません」とビンさんは話す。

フーン・マイさんやクアン・ビンさんは、毎年ベトナムに一時帰国している約200万人の海外在住ベトナム人のうちの一人だ。海外在住ベトナム人向けの掲示板では、「ベトナムの物価が上がった」というトピックに多くの賛同の意見が寄せられている。

Maybank Investment Bankのファン・ズン・カイン頭取は、海外在住ベトナム人がベトナムの物価にショックを受けるのは理解できると話す。過去10年間で、ベトナムの経済は明らかに変化しているからだ。

専門家らはベトナムの経済成長率は、2010年から2023年にかけて継続的に6~7%で推移してきたと指摘する。それに伴い、一人あたりの平均収入も2013年の1300USDから2024年には4700USDと3倍以上上昇している。「ホーチミン市やハノイのような大都市では特に所得の増加によって生活水準が上がり、商品の価格が値上がりしました」とカイン頭取は話す。例えば、2024年の統計総局のデータによれば、食料品などの生活必需品の多くが前年から値上がりしている。2023年と2024年第1四半期には、食料品と飲食サービスがそれぞれ3.44%と3.53%と急激に値上がりしている。

”物価ショック”は長年帰国していない人が、国内と海外の価格差を見たときに起こりやすい現象だ。彼らは経済学で異なる国の価格比較の際によく使用される購買力平価(PPP)という概念を忘れていることが多いため、価格差に驚くことになる。

「ベトナムは、ここ数年毎年物価が上昇傾向にあり、海外も同様の傾向にあります。しかし別の国の生活になれてしまうと、ベトナムについて昔の感覚のままなので驚かされることになるでしょう」とカイン頭取は述べた。

海外在住ベトナム人が帰国人に浪費してしまう理由には、”ストレス発散”という側面もある。海外に長年住むと、そこでの生活に慣れ、生活費や貯蓄の計画を立てるようになる。しかし、ベトナムに一時帰国すると多くの人は、久しぶりに帰ってきたという気持ちになり、より開放的にお金を使う傾向にある。

さらに、ベトナムでは、美容や医療にかかる費用がヨーロッパ諸国やアメリカ、カナダに比べてはるかに安いため、これらのサービスを気軽に利用する。「確かに欧米諸国に比べれば安いでしょうが、それでもそれなりの費用が掛かります」とカイン頭取は話す。

6年間カナダに住んでから久しぶりに帰国した際、ホン・フックさん(46歳)は、1週間の滞在費用として5000万VNDを両替えしたが、すぐに全て使い果たしてしまった。

彼女は、買い物にいくと見たものが全部欲しくなるので、買い物に多くのお金を費やすのだ。さらに、フックさんは、ベトナムに帰国するたびに美容サービスに1億~2億VNDを費やしている。

何度かの帰国を経て、フックさんはいとこにお金を預かってもらい、外出するときに受け取るようにした。「外出の際に1000万VNDでも足りない気がして、500万VNDでは全然足りず、200万VNDでは、全くお金が足りない気分になります」とフックさんは話す。「何にそんなにお金を使っているのか自分でもよくわかりません」と話すフックさんだが、カナダにいるときは家族で1日100カナダドル(約180万VND)で過ごしており、ベトナムでの1日の支出より大幅に少ない。

「子供を連れて帰国するなら、航空券代を除いて2万CAD(約3億5000万VND)以上は必要です」とフックさんは結論付けた。

カイン頭取は、”物価ショック”を受けないために、海外在住ベトナム人は、帰国時の短期的な資金計画を立てる必要があるとアドバイスする。例えば、今回の帰国では予算はいくらか?誰にお土産を買うのか?何にお金を使うのか?どこへ行くのか?何を食べるのか?を事前に検討して、適切な店舗を選ぶのだ。このような計画には、借金が増えてしまったり、使いすぎて翌年の心配をしたりせずに済むように余裕を持った方が良い。

2025年の旧正月にフックさんは3万CAD(約5.3億VND)の予算で19日間帰国する予定だ。フックさんは、子供たちに路上のカフェなどを体験させたいと考えている。

「基本的には安くて楽しいですよ。買い物も買い過ぎないように注意しているので、前よりも金銭的には余裕ができました」とフックさんは話してくれた。

出典:2025/01/09 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載