ベトナムとエストニアの首脳が初の公式会談
現地時間6月6日午前、エストニアの首都タリンにて、ベトナムのファム・ミン・チン首相とエストニアのクリステン・ミハル首相との首脳会談が行われた。
クリステン・ミハル首相は、今回のファム・ミン・チン首相による訪問が、1992年の外交関係樹立以来初めてとなるベトナム高官のエストニア訪問であることから「歴史的な意義を持つ」と強調した。ミハル首相は、今回のチン首相のエストニア訪問が両国関係を一層深化させ、ベトナムとの幅広い分野での協力拡大への原動力となることへの期待を示した。
ファム・ミン・チン首相は、かつてのベトナム民族解放闘争および現在の国家建設に対するエストニアからの支援に対し、深い感謝の意を表明した。また、デジタルトランスフォーメーションと電子政府の分野で世界をリードするエストニアの成功に敬意を示し、同分野での協力強化、情報共有、ノウハウの提供、データセンターの構築や質の高い人材育成などでの支援を求めた。
ミハル首相は、エストニアは、ベトナムとあらゆる分野で協力を強化したい意向を持っており、特にデジタルトランスフォーメーション、イノベーション、科学技術、AI、サイバーセキュリティ、教育・人材育成分野での連携を深めていきたいと明言した。
両首脳は、伝統的友好関係と多面的協力をさらに強化するため、相互支援と連携の重要性を確認した。経済・貿易・投資分野においても、両国企業の進出・事業展開を後押しする環境整備の必要性で一致した。
ファム・ミン・チン首相はまた、ベトナム製品の北欧・EU市場への進出において、エストニアが「橋渡し役」となることへの期待を表明。在エストニアのベトナム人コミュニティへの支援についても配慮を要請した。
会談では国際・地域情勢に関する意見交換も行われ、自由貿易の推進、多国間機関の改革の必要性などで一致した。両国は今後、国際フォーラムなどでの協調をさらに強化していく方針である。
また、両首脳は、国際連帯と国際法の尊重、国連憲章の基本原則の重要性を確認し、ファム・ミン・チン首相は、平和維持活動などにおいて国際社会と連携していく意思を表明した。
南シナ海(東海)における航行および航空の自由についても、両国は支持を表明し、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に基づき、紛争は平和的に解決されるべきとの立場で一致した。
会談の最後には、両国外務省間の協力に関する覚書、およびベトナム科学技術省とエストニア司法・デジタル省との間でのデジタル・経済分野における協力覚書の調印・交換式が行われた。
その後の共同記者会見で、ミハル首相は改めてファム・ミン・チン首相の訪問を歓迎し、今回の訪問は、「両国関係に新たな発展段階を切り拓く歴史的な一歩」であると語った。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN
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