全国34省・市体制に再編 21の沿岸地域が誕生
2025年6月12日、ベトナム国会は省級行政単位の統合に関する決議を可決し、全国の省・中央直轄都市の数は従来の63から34へと再編された。これに伴い、各地域の面積、人口、経済規模、地理的特性が大きく変化している。
海に面する省・市は21に拡大
統合後の全国34の省・中央直轄都市のうち21が海に面する地域となり、従来の28/63という比率(約44%)から21/34(62%)へと大幅に上昇した。
TP.HCMは人口・経済規模で全国トップに
6つの中央直轄都市(ハノイ市、ハイフォン市、フエ市、ダナン市、ホーチミン市、カントー市)は統合後も維持されるが、特筆すべきはホーチミン市の経済規模である。
ホーチミン市は、バリア・ブンタウ省およびビンズン省との統合により、面積が6,772km²、人口が1,400万人超となり、ベトナムで最大級の都市となる。経済規模でも、2024年のデータに基づくと、GRDPは2700兆VND(約14.8兆円)を超え、税収は681兆VND(約3.7兆円)で、ハノイを抜いて全国1位となる。
中央直轄都市の中では、クアンナム省と統合されたダナン市が1万1,859km²で最大面積となる。一方で面積が最も小さい中央直轄都市はハイフォン市の3,194km²となる。
平均所得トップはハノイ、ホーチミン市は第2位に浮上
2024年時点のデータでは、個人平均所得が最も高かったのはビンズン省の1億760万VND(約59万円)であったが、統合後はハノイの8900万VND(約49万円)がトップとなる。新たに統合されたホーチミン市の個人平均所得は8650万VND(約47万円)で第2位にランクインしている。
最大面積はラムドン省 最少人口はライチャウ省
統合後、面積が最も広くなる省は、旧ラムドン省、ビントゥアン省、ダクノン省の3省が統合された新ラムドン省の2万4,233km²となる。この省は、中部高原地域と沿岸省という経済圏が異なる省が統合された特殊なケースでもある。
一方、面積が最も小さいのはフンイエン省の2,515km²だ。人口では、アンザン省の約490万人が最大であり、最小はライチャウ省の約51万人となる。
経済面で目立つのはドンナイ省 新フート省は最多の接隣地域を持つ
中央直轄都市を除いた省レベルでの税収では、ドンナイ省が73兆VNDを超えて全国トップとなる。次いでタインホア省の56兆VNDとなっている。そのほかに税収が50兆VNDを超えているのはクアンニン省、ニンビン省、フンイエン省、バクニン省となっている。
また、新たに統合されたフートー省は全国で最多の7つの省・市と隣接しており、地政学的な要所としても注目されている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN
ベトナムの新たな全国地図関連ニュース
【法律】省と中央直轄都市の再編で新たな全国地図が誕生
【社会】ベトナム、7月1日から地方行政の2層制へ移行
【政治】ファン・ミン・チン首相、地方2層行政モデルに向け徹底的な権限移譲を指示