地方予算・民間資金で推進、中央予算に頼らず
ビンズン省人民委員会はこのほど、ビンズン・ニューシティとスオイティエン駅を結ぶ都市鉄道(メトロ)1号線プロジェクトに関する事前可能性調査報告書を首相および関係省庁に提出した。この報告書では、事業費の大幅削減や資金調達手段の変更などが盛り込まれており、「今すぐに着工すべき」と強く訴えている。
同路線は総延長29km超で、起点はトゥーザウモット市・ホアフー地区のビンズン・ニューシティー中心部(駅S1)、終点はホーチミン市メトロ1号線(ベンタイン〜スオイティエン)と接続するスオイティエンバスターミナル駅とされる。将来的にはホーチミン市〜ロックニン間の国家鉄道計画との接続も視野に入れる。
本プロジェクトは、標準軌(軌間1,435mm)の電化複線鉄道として計画され、最高速度は120km/h、用地面積は約58haが見込まれている。現在はホーチミン市メトロ1号線のロンビン車両基地(Depot)を共用する計画だが、将来の車両増を見据え、新たな専用車両基地をフーチャイン地区に建設予定である。
予算9兆,5000億VND以上削減、中央予算は不使用
今回の報告書では、2025年4月時点の試算よりも約9兆5760億VND(約530億円)削減され、総事業費は約46兆7250億VND(約2580億円)となった。削減要因は、建設費・設備費・コンサル費・管理費・予備費などの最適化である。
注目すべきは、中央政府の予算を一切使用せず、地方予算と合法的なその他資金によって全額を賄うという方針である。
- 地方予算:16兆7250億VND(約925億円)(全体の36%)
- TOD(公共交通指向型開発)による資金調達:30兆VND(約1660億円)(64%)
後回しにすれば「インフラ投資の好機を逸する」と警鐘
ビンズン省人民委員会は本報告書の中で、「ビンズン省とバリア・ブンタウ省、ホーチミン市の行政区域統合を待ってからでは、南部経済圏の中核インフラ整備のチャンスを逃す恐れがある」と強調している。
本路線は2025〜2030年の早期整備が不可欠であり、行政再編や統合による制度待ちでは対応が遅れすぎると訴えている。現時点で、都市計画、需要、技術的要件、財源、社会的合意など、すべての前提条件が整っており、速やかな実施が求められるとビンズン省人民委員会は指摘する。
また、都市圏の人口・労働者増加に伴い、ビンズン・ニューシティ~ジーアン〜スオイティエンエリアの交通需要は急増しており、既存インフラでは対応しきれず、交通渋滞が深刻化している。2025~2026年に着工しなければ、次期中期公共投資計画への組み込みが間に合わず、資金確保の機会も失われると懸念を示す。
ビンズン省人民委員会は、プロジェクトが国家投資政策決定の条件をすでに満たしているとし、関連データの正確性と調査の網羅性についても政府に対して正式に保証した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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