総投資額約11兆VND(約620億円)をかけ、4か月前に運用を開始したタンソンニャット空港T3ターミナルは、広々として快適な空間と最新設備を備えた国内屈指の現代的施設である。しかし、到着後の交通導線やタクシー乗り場の混雑など、利用者にとって不便な点も浮き彫りになっている。
到着客が集中するタクシー乗り場で混雑
タンソンニャット空港のT3ターミナルは地上3階・地下1階構造で、3階が出発階、2階が到着階(個人車専用)、1階がバス・タクシー・配車アプリ車両の乗降場となっている。
しかし、到着客は2階からわざわざ1階まで移動しなければタクシーを利用できず、エレベーターやエスカレーター前で行列が発生している。荷物やカートを持った利用者にとっては大きな負担だ。
特に配車アプリ車両の乗り場は遠く、利便性に欠ける。ある利用客は「到着ロビー前の広いスペースは優先車専用で、肝心のタクシー乗り場はぎゅうぎゅう詰め。動線を見直してほしい」と語った。
タクシー運転手も「時間の無駄」
運転手からも不満の声が上がる。1階乗り場はバス、契約車、タクシー、配車アプリ車両が同じレーンを共有しており、ピーク時には車列が長く伸びる。客を1組乗せるのに、空港から市中心部までの移動時間より待機時間の方が長い場合もあるという。
外国人旅行者は乗車場所が分からず、荷物を引きずりながら迷うケースも多い。さらに、混雑時には短距離移動でも法外な運賃を請求される事例が報告されている。
改善が求められる交通導線と料金管理
T3ターミナルは設備面では国内最高水準だが、外部交通の混雑や料金トラブル、配車アプリ車両の不便な乗り場などが、全体の利用体験を損ねている。
専門家は、タクシー・バス・配車アプリ車両の動線分離、乗車順序の整理、料金表示の徹底などを早急に実施すべきだと指摘。また、2輪・4輪の配車アプリ車両用乗り場の設置、二言語表記の案内板、2階から1階への移動手段の拡充も求められている。
空港運営会社ACVは改善要望を受け止め、必要に応じて調整を行う意向を示した。当面は警備員を増員し、混雑緩和に努めるとしている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN