第18回党大会が開幕、持続可能な首都建設へ期待高まる
10月16日午前、ハノイ市共産党委員会の第18回党大会(2025~2030年任期)が開幕した。
新たな任期に向けて、ハノイは「紅河の奇跡」を生み出すという大きな目標を掲げ、再生・結束・持続的発展の象徴となる都市づくりに乗り出している。
経済成長率は全国平均を上回る
2021~2025年の期間、ハノイは平均経済成長率6.57%を達成し、全国平均の1.1倍となった。経済規模は推定630億USDに達し、2020年比で1.42倍増、全国の12.6%を占めている。
一人当たりのGRDPは7,200USDに達し、歳入総額は2200兆VND(約12.6兆円)と前期(2016~2020年)の1.8倍に増加した。
都市インフラ整備も進展しており、都市鉄道2路線(カットリン-ハドン線、ニョン-ハノイ駅線高架区間)や環状2号線道路、ビントゥイ橋第2期工事などの主要プロジェクトが完成した。
一年で7本の橋を着工 「紅河開発」に弾み
2025年初頭から現在までに、ハノイは紅河に架かる7本の大型橋(トゥーリエン、ゴックホイ、バンフック、ホンハー、メーソー、トゥーンカット、チャンフンダオ)を着工した。
これは、過去100年以上にわたり建設された橋の総数にほぼ匹敵する規模であり、「紅河軸」の都市開発が加速していることを象徴している。
「紅河軸」開発構想 ― 経済・文化・創造の中枢へ
党中央政治局は、ハノイの都市計画(2050年を見据えた2021~2030年計画)および2045年までの首都全体計画の調整案において、「紅河を首都発展の軸」とする方針を示している。
ハノイ市党大会の文書でも、紅河両岸に国際的な金融・商業センターを形成し、国際空港と連動した自由貿易センターを構築する目標が明記された。
紅河は今後、「グリーン成長の軸」として、都市景観・環境・文化を結びつける象徴的存在と位置付けられている。都市鉄道と連動したTOD(公共交通指向型開発)モデルの採用や、内陸河川の浄化・再生も計画に含まれている。
「文化こそ発展の土壌」 千年の都が描く新たな未来
ブイ・ホアイ・ソン国会議員(ハノイ)は、ハノイが「知識経済・創造経済・グリーン経済」へと転換する中で、成長の持続には文化の基盤が不可欠だと指摘する。
「文化はハノイの“基盤”であり、あらゆる変革と創造を支える柔らかな土壌である」と語り、「紅河の奇跡」はその精神を体現するものであると述べた。
ソン議員はまた、「漢江の奇跡」がソウルをアジア屈指の都市に押し上げたように、「紅河の奇跡」はハノイが歴史と未来を結ぶ道となるだろう」と強調した。
紅河は単なる景観軸ではなく、「文化・経済・創造のトライアングル」として、旧市街と新都市、人と自然、過去と未来を結ぶ象徴となることを目指している。
都市計画専門家「紅河は首都の心臓」
都市計画専門家であり、ベトナム都市開発協会のダオ・ゴック・ギエム副会長は、紅河はハノイの歴史的形成と深く結びついた「首都の心臓」であると強調する。
1990年代から再開発計画が検討されてきたが、今こそ安全性と発展性を両立させ、近隣省と連携した広域的な開発が必要だと指摘する。
「紅河の開発は両岸だけでなく、堤防周辺や隣接地域を含めた総合的な都市再生でなければならない」と同氏は語り、交通インフラや観光との連携、社会資本の活用による資金調達の重要性を強調した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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