ベトナム中部で30年以上ぶりの大規模洪水発生
ベトナム中部では、過去30年以上で最も深刻とされる豪雨・洪水により、数万戸の住宅が浸水する被害が発生している。ホー・クオック・ズン副首相は、ダックラック省東部(旧フーイエン省地域)を訪れ、被害状況を確認するとともに、省人民委員会と緊急会議を行った。
会議で副首相は「一刻一秒が貴重である。必ず住民を救出しなければならない」と強調し、救助部隊と機材の総動員を指示した。政府は19日夕方までに取り残された住民を全員安全な場所へ移送する目標を掲げている。
1993年の歴史的洪水を超える水位
各地が孤立、救助難航
ズン副首相は、深い冠水区域や土砂崩れの危険地帯に警察の検問を設置し、住民の無理な移動を厳禁とするよう指示した。また、避難区域には十分な食料・飲料水、とくに非常食を確保するよう求めた。
天候が許せば、第5軍区と連携してヘリコプターを動員し、孤立地域の救出も実施する方針である。
18日夜から19日にかけて、豪雨は山間部から平野部、トゥイホア都市部(旧フーイエン省)まで広く影響し、SNS上には救助要請が相次いだ。
ダックラック省人民委員会のタ・アイン・トゥアン主席によれば、バー川の水位はフーラム観測所で警戒レベル3を超え、1993年の歴史的洪水(5.21m)を上回ったという。
洪水はドンスアン、トゥイアンを中心に広範囲で深刻な浸水を引き起こし、多くの地域が完全に孤立。急流のため救助隊が近づけない状況も発生している。
過去24時間の豪雨により、バー川、キーロー川、タムザン川では警戒レベル3を1〜3.5m上回り、河川沿いの複数地区で1〜3mの浸水が続いている。
さらに、複数の水力発電所・灌漑ダムが放流を実施しており、特にソンバー・ハー水力発電所は19日夕方に放流量を毎秒1万6,100m³に引き上げた。これはベトナムの放流記録でも非常に高い水準であり、「洪水に洪水が重なる」状況となって下流域の危険性が増大している。
ダックラック省では5,621人の住民(約2,000世帯)が緊急避難したが、トゥイアン、タイホア、フーホア、ドンスアンの一部地域では依然として孤立状態が続く。ソンカウ街区では土砂崩れにより1名が死亡した。
ダックラック省幹部によれば、ソンバー・ハー水力発電所はダムの貯水量が越流し、これ以上水を貯めることができないため、流入量に応じて放流せざるを得ない状況であるという。「現在最も重要なのは、下流地域の住民の安全確保である」とこの幹部は述べた。
警察・軍隊が徹夜で救助活動
各地で孤立、1日で4万人超が影響
18日夜から続く大雨により、ダックラック省東部の沿岸地域では交通が分断され、警察・軍隊・地方政府が徹夜で救援活動にあたった。
東部ザーライ省でも19日にかけて各地が冠水し、多数の集落が孤立した。1万256世帯(4万2,525人)が孤立状態となり、複数箇所で土砂崩れも発生した。
アンニョンナム村の住民チャン・ティ・ミン・タムさんは、家に取り残された夫が窓際まで水が迫る中、家具の上に立って耐えている状況を訴えた。
ザーライ省のファム・アイン・トゥアン主席は、警察・軍隊に対し住民の緊急避難と財産保全、浸水対策の強化を指示。また、水力発電所・灌漑施設の安全運転と下流への洪水調節を徹底するよう求めた。
カインホア省でも水位上昇
1986年級の洪水の恐れ、国道1号が冠水
カインホア省では、ニャチャン市西部やディエンディエン村で水位が再上昇し、住民は疲労困憊の状態にある。今後24時間でカイ川のニャチャン地区とファンラン地区の水位は警戒レベル3を超える見通しで、危険地域の洪水リスクが続く。
旧ニンホア地区を流れるディン川では、水位が1986年の大洪水に匹敵する水準に達する可能性があり、国道1号の複数区間が冠水した。
19日には、南中部機動警察連隊と軍隊がカインホア省に増援として派遣され、住民の避難支援や食料供給を行っている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN




















