南アフリカ・ヨハネスブルクで開催中のG20サミットで、ベトナムのファン・ミン・チン首相は、包摂的かつ持続可能な成長を実現するため「3つの戦略的保証」を提案した。
G20サミットが開幕、ベトナム首相が重要演説
現地時間11月22日朝、南アフリカ共和国ヨハネスブルクで、2025年の主要20カ国・新興国首脳会議(G20サミット)が、議長国であるシリル・ラマポーザ大統領の主催の下で正式に開幕した。
会議は11月22〜23日の2日間にわたり、G20加盟国の首脳、20カ国の招待国代表、国際・地域機関の計21機関の代表が参加している。
ベトナム代表団を率いるファン・ミン・チン首相は、会議で重要演説を行い、世界が直面する前例のない複合危機を指摘した上で、包摂的で持続可能な成長を確保するための「3つの戦略的保証」を提示した。
世界の不確実性が増す中でのグローバルガバナンスの方向性
チン首相は、世界が「全人類的で、全方位的、かつグローバルな規模の未曾有の課題」に直面していると指摘し、この状況下でのグローバルガバナンスの在り方として、次の3点を強調した。
- 平和的・安定的・包摂的発展を中心目標とすること
- 法と国際慣行に基づく平等・互恵・協力・対話を重視すること
- 人間を中心に置いた、全体的かつ世界的アプローチを採用すること
チン首相は、「団結は力、協力は利益、対話は信頼」を基本理念として、以下の3点の戦略的保証を提案した。
① 国際社会の安定確保 ― 衝突回避とマクロ的安定
チン首相はまず、G20が国際協力の枠組みを主導し、相互尊重に基づいた対話を通じて紛争解決を進めるべきだと強調した。
- 国際関係の安定維持
- システムリスクの防止
- 危機対応の協調
- 貿易障壁の最小化
- 供給網の分断を抑制
- 債務再編イニシアチブの推進
- 世界的マクロ安定の確保
これらを通じ、成長に適した環境を構築する必要があると述べた。
②ルールに基づく多角的貿易体制と公平なアクセスの保証
次に、世界貿易機関(WTO)を中心とした多国間貿易体制の強化を求めた。
- 科学と貿易の政治化に反対
- 各国に公平な市場アクセスを提供
- デジタル転換能力を向上
- 効果的で透明性ある国際金融システムを構築
- WTO改革を全面的に推進
特に、発展途上国の発展のため、科学技術・金融への「平等なアクセス」が不可欠であると訴えた。
③柔軟で効果的なグローバルガバナンスへ ― デジタル・グリーントランスフォーメーションの時代に対応
最後に、急速に進むデジタル化・グリーン化に対応した新たな国際枠組みを構築すべきだと提案した。
- 経済・社会・環境の調和を図るガバナンス構築
- 現在と未来のバランスをとる政策設計
- AI、気候変動、災害対策、感染症対策における協力強化
- 包摂的な発展を支えるエコシステム整備
ベトナムは「誰一人取り残さない」発展の理念を強調
チン首相は、ベトナムがG20および国際社会と積極的に協力し、平和・文明・繁栄をめざすと表明し、「すべての人が、国際統合と発展の恩恵を等しく受けられるようにする」という立場を改めて強調した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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