日本の日清製粉グループの技術基盤と120年以上の製造経験を受け継ぐ日清製粉ウェルナは、ベトナム市場で新たな製品群を投入した。この動きは、同社の生産投資の継続、存在感の強化、そして持続可能な成長戦略の推進を示すものである。
持続可能な成長戦略の強化
Kantarの調査によれば、ベトナムは1億人以上の人口を有し、その約60%が35歳以下である。急速な都市化と生活水準の向上により、アジアの「新たな消費タイガー」となりつつある。
この背景は、消費者行動にも変化をもたらしている。身体・精神・感情の健康に適した商品への関心が高まり、2026年版『The Future of Food』の研究では、体験性、利便性、そしてローカル原料を活用した食品の人気が高まる傾向が示されている。
BlueWaveのデータによると、今後5年間でベトナムの包装食品市場は 年平均成長率(CAGR)約7.5% で拡大し、350億USD超 に達すると見込まれている。これにより、ベトナムのFMCG市場には依然として大きな成長余地があることが示される。
日清製粉ウェルナ、長期的投資戦略でベトナム市場を強化
この潜在力を背景に、日本の有力ブランドである日清製粉ウェルナは、ベトナムへの長期投資戦略を加速している。同社は2013年にベトナムのB2B市場に参入し、主に輸出向けの2つの工場を運営している。
- Vietnam Nisshin Seifun(VNS):スパゲティソースなどを日本向けに製造・輸出
- Vietnam Nisshin Technomic:国内市場向けのプレミックス製品が主力
両工場は国際認証 FSSC 22000 を取得しており、安全性管理が原料から最終製品まで徹底されている。
さらにVNSは ISO 14001(環境マネジメント) と ISO 45001(安全・労働衛生) を取得し、持続可能な生産体制を確立している。
FMCG市場へ本格参入 即席食品ラインを拡大
2024年末、利便性食品の需要増加を受け、同社はスパゲティソース、プレミックス粉などの即席食品を展開し、FMCG市場へ本格参入した。
同社の代表によれば、発売後1年余りで、以下の 4主要カテゴリーで 22製品を市場投入した。
- スパゲティソース
- スパゲティ(乾麺)
- プレミックス粉
- 炊き込みご飯の素
同社はすでに 2,500店舗以上での販売網を確立。製品カテゴリーと販売拠点の拡大は、ベトナム消費者からの一定の支持を示している。
「ベトナムは戦略市場」— 岩橋貴彦会長兼CEO
日清製粉ウェルナの岩橋社長は次のように強調した。
「ベトナムは東南アジアにおける主要市場であり、戦略的に重要な地域である。当社は新製品の研究開発による持続可能な成長を目指すとともに、輸出供給に対応する生産能力の確保にも努めている」
家庭で楽しめる“本格的な食の解決策”を提供
日清製粉ウェルナの多様な商品群は、日本品質とベトナムの味覚理解の融合を象徴しており、ベトナムのFMCG市場の魅力向上に寄与している。

■ 乾燥スパゲティ
- 同社独自技術により、3分でアルデンテ
- 6分でベトナムの嗜好に合う柔らかさ
- 好みのソースと合わせるだけで簡単に本格的な一皿が完成
■ 冷凍生麺「ナイナイ(Nảy Nảy)」
- 先端的冷凍技術で生麺の鮮度と弾力を保持
- 電子レンジで加熱するだけ
- ソーセージソース と コーンチーズソース の2種類を展開
■ プレミックス(天ぷら粉・唐揚げ粉)
- 日本の著名店の専門家が開発したレシピを基に製造
- ベトナム向けにローカライズ
- 家庭でも店の味を再現できる品質
“キッチンの相棒”となるブランドを目指す
岩橋社長は次のように語った。
「私たちは、ベトナム消費者に最も愛される加工食品メーカーになることを目指しています。日本品質の安全性と利便性を両立させ、忙しい家族でも安心して豊かな食卓を実現できるよう貢献したと考えています」
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















