ベトナムを「起業・新技術の拠点」に
2025年12月20日午前、ファン・ミン・チン首相は、第3回国家デジタル経済・デジタル社会発展フォーラムを主宰した。今回のテーマは「包括的・包摂的なデジタル経済、デジタル社会の発展 ― 2026~2030年にGDP2桁成長の達成を目指す」である。
首相は、今後のデジタル経済・デジタル社会の飛躍的発展に向けた核心的課題として、データの接続・共有を阻んでいるボトルネックをいかに解消するか、また、ベトナムをスタートアップ創出と新技術開発の「拠点」とするために、どのような特別な制度が必要かを提起した。
「5つの先行」「5つの有」「5つの無」の実行を求める
基調報告において、科学技術省のグエン・マイン・フン大臣は、今後のベトナムのデジタル経済・デジタル社会は、既存活動の単なるデジタル化から脱却し、データ、AI、デジタルプラットフォーム、デジタル企業、デジタル市民が新たな成長原動力となる発展空間の創出へと移行していくと述べた。
現在のデジタル経済は、依然として既存活動のデジタル化が中心であり、新たな成長モデルの創出には十分に転換できていない。GDPに占めるデジタル経済の比率は急速に上昇しているものの、国内付加価値は低く、越境プラットフォームへの依存度が高いという課題も指摘された。
各省庁やテクノロジー企業の意見を踏まえ、ファン・ミン・チン首相は、科学技術省に対し、フォーラムでの提言を取り入れ、「2026~2030年期デジタル経済・デジタル社会発展プログラム」を補完・完成させ、中央から地方まで一体的に実施するよう指示した。
首相は「デジタル経済を発展させるにはデジタル社会が不可欠であり、デジタル社会の基盤はデジタル市民である」と強調し、各省庁・地方政府に対し「5つの先行」「5つの有」「5つの無」の実行を求めた。
「5つの先行」
- 制度整備での先行
- 技術開発での先行
- デジタルインフラ整備での先行
- データベース構築での先行
- 社会的責任の履行での先行
「5つの有」
- 近代的で統合され、円滑に機能するデジタルインフラ
- 「正確・十分・クリーン・最新・統一・相互接続・共有可能」なデータ
- 高度なデジタル人材と国民全体へのデジタルスキル普及
- 強く、効率的に成長するベトナムのデジタル技術企業
- 安全で文明的、人間中心かつ現代的なデジタル環境
「5つの無」
- 書類不要・現金不要・行政区分の壁のない取引
- 発展に限界や終点を設けない
- 不正、浪費、汚職、利権集団の排除
- 分断、縦割り、閉鎖的運営の排除
- 国家デジタル転換の過程で誰一人取り残さない
サイバー空間における負の影響の低減を重視
具体的施策として、首相は、科学技術、イノベーション、デジタル転換の力を活用し、特に基盤産業・重点産業におけるデジタル化と産業構造再編を加速するよう求めた。大規模で高い付加価値と波及効果を持つ「デジタル技術産業コンプレックス」の早期形成も指示された。
また、「ハイテク農業 ― デジタル農家 ― スマート農村」の発展を推進する方針が示された。
サービス・商業分野では、金融、物流、観光を突破口とするスマートで近代的なデジタルサービス・エコシステムの構築に注力し、電子商取引やキャッシュレス決済の強化、デジタル空間における「ベトナム人はベトナム製品を優先使用」運動の推進を掲げた。医療や教育など基礎的社会サービスの最適化に向けたデジタル転換も強化される。
さらに、各省庁は中小企業のデジタル転換支援プログラムを加速し、2026年1月までに首相へ提出する方針である。特に、児童や高齢者といった社会的弱者を標的とする詐欺やサイバー攻撃を念頭に、サイバー空間における負の影響を最小化するための実効的対策の研究・実施が求められている。
本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN



















