贈与、ビジネス契約を悪用
ホーチミン市の海外送金サポート会社の関係者によると、海外への投資関係書類を作成する場合、様々なルートでの送金が可能とのことだ。これには、ベトナム以外の国にいる家族、知人、仲介業者からベトナムに送金される投資資金も含まれる。
現在、ベトナムから海外へ送金する場合、通常は海外にいる親族への寄付または贈与という形で行われる。ベトナムの現行の法令では、海外の親族に贈与したり寄付できる金額の上限を定めておらず、不動産購入費用の全額を送金することも可能になるわけだ。
輸出入契約の形態による送金は、多くの仲介業者が介在し、資金の出所を証明することが難しくなるために、受入国によっては入金を拒否されるリスクがある。
このような場合、目的が達成されなくても、契約者はコンサルティング契約の内容に応じて5万~6万ドルのコンサルティング料と弁護士費用を支払わなければならない可能性もある。
ベトナムの法律事務所の代表者によるとこうだ。
「非公式の送金会社を経由するなど、海外への送金規制を『回避する』には多くの方法があります。お金は実際にはベトナムから出ておらず、国内受託業者は海外の『ネットワーク』に相手の口座への送金を通知するなどです。外国の居住権取得を目的とした投資送金について、正規の手続きで対応している銀行はありません。他にも、ビジネス契約や偽の証票や虚偽の申告を悪用した形での、送金も可能です。この方法を取ると、数百~数百万USDまでの送金が可能になります。さらに、クレジットカード、オンライン送金、仮想通貨などを使用した方法もあります」
資金の規制が必要
ベトナムでの現金使用に対する野放しの状態は、海外不動産購入を目的とした大規模な資金流出の原因となっている。ベトナム政府は5〜6年前、個人の資産購入(不動産、自動車など)に関するキャッシュフローを管理するという意見草案を提出したが、結局採用されなかった。このため、個人が数百億から数千億VNDの不動産を購入しても、資金の出所は確認されない。
違法な海外への資金流出を防ぐためには、国内のキャッシュフローを規制することが必要であり、これは最も効果的な汚職防止対策にもなる。
出典:THANH NIEN 28/08/2020
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