ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ベトナムビジネス情報Vol.170
日本で働くベトナム人の真実
Vietnamese workers in Japan

厚生労働省によれば、日本の外国人労働者数は205万人弱で過去最高を更新(2023年10月末時点)。最も多いのはベトナム人の約52万人で4人に1人を占めている。ベトナムで働く我々も、彼らに無関心ではいられない。

外国人労働者200万人超!内訳と傾向

 日本の外国人労働者数は204万8675人で初めて200万人を突破。前年より22万5950人と12.4%も増えている。雇用事業所数は31万8775所(前年比6.7%増)でこちらも過去最高を更新した。

 国別の1位はベトナムで51万8364人(前年比12.1%増)、2位は中国(39万7918人:同3.1%増)、3位がフィリピン(22万6846人:同10.1%増)。

 一方、「新興勢力」と呼べる増加の著しい3ヶ国が、前年比56%増の6位インドネシア(12万1507人)、49.9%増の8位ミャンマー(7万1188人)、23.2%増の4位ネパール(14万5587人)だ。P13で詳述する。

 在留資格別で見ると2番目に多く、前年比で最も増加したのが「専門的・技術的分野の在留資格」で59万5904人(24.2%増)。ここには高度専門職、経営、法律、医療、介護、2019年4月に創設された特定技能1号・2号などが含まれ、ざっくり言うと高度人材だ。

 次に多いのが「技能実習」で41万2501人(20.2%増)、4位が留学や家族滞在などの「資格外活動」で35万2581人(6.5%増)、5位はワーキング・ホリデーなどの「特定活動」で7万1676人(2.3%減)。では1位はというと、永住者やその配偶者などの「身分に基づく在留資格」で61万5934人(3.5%増)だった。

 少し長期で2019年からの増加率(各年10月末時点)を見ると、「専門的・技術的分野」がやはり181.1%と伸びており、その中でも「特定技能」が26638.1%増! 制度ができたばかりとはいえ急伸中だ。一方「技能実習」は107.4%であり、新型コロナ期の落込みが影響している。

働くベトナム人の在留資格や業種とは?

 50万人以上のベトナム人は日本でどう働いているのか。在留資格別では「専門的・技術的分野」が30.9%と全国籍の平均とほぼ同じ。目立つのが「技能実習」で平均の倍となる40.4%、これはインドネシアの56.2%に次いで多い。

 極めて低いのが就労の制限がない「身分に基づく在留資格」で、平均は30.1%なのに3.9%。フィリピンは66.1%、韓国は43.8%、タイは36.4%だ。

 外国人労働者を産業別に見ると「製造業」(55万2399人)が最も多く、前年から24.1%増加して全体の27%を占めた。ただ、2019年からの増加率で最も高いのは「医療、福祉」の265.1%(9万0839人)で、次が「建設業」の155.5%(14万4981人)だ。人材のニーズが変わりつつあるようだ。

 この産業別でベトナムが多いのは製造業(38.8%)と建設業(12.0%)でどちらも平均以上だ。「医療、福祉」は3.8%で平均以下、話題のIT人材(情報通信業)も1.2%で、平均の4.2%より随分低い。

 ちなみに「医療、福祉」で多いのはミャンマー(12.4%)とインドネシア(10.9%)、「情報通信業」では韓国(13.9%)と中国[香港、マカオを含む](10.0%)だ。

 多くのベトナム人が技能実習生として製造業や建設業で働く傾向はしばらく続きそうだ。技能実習は「技能実習計画」が認定されて始まるのだが、2022年度の外国人技能実習機構業務統計によれば、同年度の認定計画件数はベトナムが1位で50.6%と半分を占め、そのうち食品製造関係が23.9%、建設関係が19.1%、機械・金属関係が16.2%となっている。

技能実習生たちの日本での悩み

 途上国への技術移転という目的で1993年に始まった技能実習制度。低賃金や長時間労働、転籍(転職)原則不可など多くの課題が表面化したが、採用した人材が主力メンバーとなったり、技能実習生を中心にベトナムに進出するなど、日本企業の発展に寄与した例を筆者は幾度も取材してきた。

 そんな彼らの悩みとは何だろうか。LocoBeeが日本に在留するベトナム人技能実習生と元技能実習生119人に意識調査を実施した。期間は2023年12月〜2024年1月と最近で、20代中心の若者が対象だ。

 まず「1ヶ月の生活費(家賃、消費、交通費など)」は「5~10万円」が55.5%と最も多く、「0~5万円」の37.8%と合わせて93.3%。そのためか「日本で困っていること」(複数回答)の1位は「生活費が高い」(38%)、2位が「寮・アパートが高い」(33%)。以下、「移動が大変」と「ベトナム食品の購入が難しい」(共に32%)が続く。

 「日本の仕事で困っていること」は1位が「給料が安い」(96%)とほぼ全員の感想。2位の「日本語を使う場面がない」は74%で単純作業が多い? 3位が「仕事で体力を消耗する」(73%)でそのようだ。

 法務省による技能実習生約2000人への調査(2021年12月~2022年4月)によれば、ベトナム人が来日前に母国の送出機関に支払った費用は平均65万6014円、母国での借金総額は平均67万4480円(2022年1月の為替レート)だ。単純に考えると支払った全てが借金であり、少ない給与から返済する人も多いはず。彼らがお金にだわるのは当然だ。

技能実習が廃止、「育成就労制度」へ

 技能実習制度が大きく変わろうとしている。2024年4月、技能実習制度を廃止して「育成就労制度」を創設する出入国管理法などの改正案が、日本の国会で審議に入った。育成就労として受け入れた3年間で一定の水準まで育てて、最長で5年働ける「特定技能1号」への移行を促す。

 そのため業種の分野は特定技能1号を想定し、現在は介護、建設業、農業、宿泊業など12分野が対象だが、自動車運送業や鉄道など4分野を追加する方針。新制度の開始は2027年を見込み、2030年までを移行期間とする想定だ。

 転職は、一定の技能と日本語能力があれば同じ分野で認められるが、最初の受入れ先とは1~2年の就労期間を定める。期間3年の中で最短1年しか転職の猶予がなくなるので、魅力を感じてもらえるかどうか。帰国が前提の技能実習から長期的人材の獲得に舵を切った割には不満が残る。

 また、外国人の受入れや勤務先の指導を行う監理団体には外部監査の設置を義務付けて、独立性を確保する。一方で永住者が故意に税金や社会保険料の納付を怠れば、永住許可を取り消せる罰則規定も設ける。

 ベトナムの労働・傷病兵・社会問題省によれば、2023年の海外への労働者派遣総数は15万9986人で年間目標を超え、国・地域別では日本が8万10人(前年比18.9%増)でダントツのトップ、2位は台湾の5万8620人で、この2ヶ国で9割弱を占めた。

 だが、ベトナム人の意識は変わりつつあるようだ。いつまでも楽観していられない。

ベトナムが去り、インドネシア&ミャンマー?

 マイナビグローバルが日本在留外国人への日本での就労意欲に関する調査結果を発表した。回答数は582で、調査期間は2024年1月18日~2月1日。

 「現在の在留資格が切れた後も日本で働きたいか」との就労意欲に91.0%が「働きたい」。多いとは思うが、前回2022年の調査では96.8%もあった。「日本で働きたくない」理由の1位は「円安だから」(38.5%)。「就職先を選ぶ時のポイント」(複数回答可)の1位は「給料(ボーナス含む)」で、前回の59.9%から69.8%にアップした。

 ベトナムを見ると、「日本での就労意欲」は前回の98.0%から85.9%に大幅ダウン、技能実習よりも待遇の良い「特定技能の認知度」も98.4%から91.3%に下がった。P11の「新興3ヶ国」と比較したい。

 「日本での就労意欲」はミャンマーが97.0%、ネパールが96.9%、インドネシアが94.4%と皆高く、「特定技能の認知度」はネパールは78.2%と低いがインドネシアが97.8%、ミャンマーが95.2%と高いモチベーションを感じる。

 「就職先を選ぶ時のポイント」ではやはり「給与」が高いが、「社員の人間関係が良い」はインドネシアが1位(59.3%)、ミャンマーが2位(54.5%)と特徴が出た。日本企業に好感を持たれそうだが、ベトナムは40.8%しかない。

 少し長期で見るとインドネシアの労働者は2019年から236.7%、ミャンマーは256.1%の増加と他国に見られない急増振りで、ベトナムは129.2%だ。日本での就労を目指す新しい仲間はうれしいものの、ベトナム人の日本離れが始まっているようで心配だ。