クアック・ティ・ラン選手は、過去数年の調子を維持できれば、オリンピック陸上競技の準決勝に進出する初めてのベトナム人アスリートになれるかもしれない。
東京オリンピック2020の女子400mハードルに参加する41人のアスリートの中に、アミナット・ユスフ・ジャマルとクアック・ティ・ランという2人のアジア人アスリートが含まれている。ただ、アミナット選手はバーレーン代表だが、ナイジェリア出身のため、純粋なアジア人はラン選手一人という事になる。
オリンピックの花形種目で最も競技数の多いのが陸上と水泳だが、ベトナム人だけでなく、アジア人にとって陸上競技は、ハードルの高い競技でもある。2016年のリオオリンピックでは、陸上競技47種目でアジア人が金メダルを獲得したのは、僅か3種目だった。そのうちの1種目は、ケニア出身のバーレーン代表選手で、他の2種目は競歩での金メダルだった。ラン選手も今回の東京オリンピック2020への出場は、アジアチャンピオンであるにもかかわらず、特別推薦枠での出場となっている。
ベトナム陸上競技の歴史上オリンピックの予選を通過できたのは、2008年の北京オリンピックに女子100mで出場したブー・ティ・フーンのみだ。フーンは11秒65の記録で準々決勝まで進んだ。
東京オリンピック女子400mハードルの準決勝は24名が3組に分かれて争い、成績上位8人が決勝へ進む。決勝進出は目標としては、高すぎるかもしれないが、準決勝進出はラン選手にとって十分に可能性のある目標といえる。
過去3回のオリンピックでは、女子400mハードルの予選通過タイムは、56秒37、56秒47、56秒51となっている。このタイムは、ラン選手にとって十分達成可能なラインである。
ラン選手の最新のタイムは、2020年11月にハノイで開かれた全国大会での55秒98だ。ラン選手の自己ベストは、2018年にインドシアノジャカルタで開催されたアジア大会で金メダルを獲得した時の55秒30だ。翌年の2019年アジア大会でもラン選手アハアミナット選手を上回る56秒10のタイムで優勝している。
ラン選手は、自己ベストを更新する54秒台で決勝進出を狙っている。アジア人選手が、オリンピック女子400メートルハードルの決勝に最後に進出したのは、1984年のロサンゼルスオリンピックのインド代表だったウシャ選手までさかのぼる。準決勝進出となると2008年北京オリンピックの日本代表だった久保倉里美選手が最後だ。
ラン選手は、7月23日の東京オリンピック開会式では、水泳のグエン・フイ・ホアン選手と共にベトナム選手団の旗手という大役を務めることになっている。ラン選手の出場する女子400メートルハードル予選は、7月31日午前7時(ベトナム時間)開始予定だ。
出典:20/07/2021 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作